羊羹

羊羹ならぬ虎屋の羊羹。アイスならぬハーゲンダッツ。O副議長とあらば品物が違う、と評判を生んどるらしく。その気配りや見上げたものなれど買収工作など無意味な連中にて甘やかさぬに限る。気配りのみであれば私とて「リポD」を持参するは一回のみにあらず。品が違う、とはよもや私へのあてつけにあるまいか、んなことで相手を値踏みするとは人の風上にも置けぬ。

いや、待てよ、慣れぬ現職を相手にそれこそが慣例とばかりに煽動した可能性とて。そんな狡猾な連中に籠絡されるは気の毒。老婆心ながらに御助言申し上げれば、ありつけぬ連中から「オレたちにはいつ届くんだ」と督促めいた声が伝わってきているとか。頭抱えつつもまんざらでもなさそうな副議長殿に「御注意あれ」と話を終えた。過去の善意が当然の権利となる事例やそこに限らず。

それが私有地である以上、隣人の介入は財産権の侵害。売却後の所有が業者とならば尚更のこと。土地の開発を巡る紛争は絶えず。近隣への説明と申しても百戦錬磨の相手にこちらはズブの素人。開発の許認可権を有する以上、介入は当然との声に独自の条例が制定されて。

行為そのものへの規制ならぬ近隣との紛争時における斡旋の手続きを定めたものなれど、業者にとってそこに新たに生じた手間や小さからず。条例は市の善意などと申すつもりはないものの、泣き寝入りに近い市民を見捨てておけぬと一歩は踏み出した訳で。あくまでも「場」を提供したという話であって、特段の違法性が無いにも関わらず故意に開発を中断させれば司法沙汰にもなりかねず。

譲らずともそこに許可は下りるやもしれぬ。されど、役人を敵に回しては別の開発に難癖つけられぬとも限らず、機嫌を損ねぬ程度に、と促される譲歩もそれでは全く納得がいかぬ、完全勝利あるのみだ、となるとそれは越権、はき違えた権利となりかねず。副議長にハーゲンダッツをせびる誰ぞと変わらぬ。違うか。

そう、最近もそんな相談が寄せられて仲介を果たさんとすれどもこじれにこじれ。依頼主がこぼすは業者への不信感。漢字の誤りに訪問理由とて「市から言われて」などと余計な一言が付かば伝わらぬ「誠意」。譲る譲らぬの前に自ら墓穴を掘っとるようなもので、条例云々の前にまずは。

神無月。五穀豊穣を祝う祭礼の季節。笛に太鼓が聞こえぬに寂しく、神輿の中止に持て余す体力。いや、いつも手抜きばかりで大して担いでおらんでしょうに。秋冬のレース物色するに「年に一度走れば十分ではないか」との妻に通じぬ価値観。オクトバーラン&ウォークの申請を終えた。

終えた、と申しても前年の「継続」が当然の権利、というか標準であって辞退の際のみ申告をと。告げられる昨年度の距離は兵どもの中で見劣り感が否めず、負けじと上乗せを申告してみたものの、宣言の解除に食欲の秋と誘惑多く。脳とて使わねば退化するであろうし、細胞とて活性化させねば老化は進む。何よりも健康に目が向くというのはいい兆候で。

(令和3年9月30日/2668回)