斜度

分団の威信をかけた一戦、地元消防団の操法大会になびく旗にはあの二文字。やはり彼らも。私とてロッカーには。

従来の対応では不十分、本腰入れさせるに条例の制定は必須。議員立法にて条例化を図らんとするも深夜まで紛糾する委員会。仲間の応援に加勢せんと部屋を出る団長に手渡すは闘魂タオル。ということで成立を見せた児童虐待防止条例。私が副団長の時分の話。リング下りても衰えぬ人気。少年時代のヒーローは不死身じゃなかったんだナ。元気さえあれば、バカで何が悪い。

三十度とは三角定規のあの一角のはずが、どう見ても倍にしか見えぬ斜面。すくむ足下に迂回路の初心者コースを選択するは私だけではなかったはず。冬のゲレンデ。いや、上から見るからそう見えるのであって下から見れば。ほんとに測量したのかね。

斜面ならぬ絶壁が数メートルどころか見上げる限り延々と続かば意欲も。二足歩行の限界、四つん這いにて挑みし斜度は三十六度。ロッククライミングじゃあるまいに。疲労度はフルマラソン以上も入力する数字は「たった」二十キロ。今や快晴の日を選んでいては目標達成ままならず、雨の中を走るヤツなんぞ、との認識も覆されて。

さて、本題。いつぞやに記した仮設ガードレールの事故状況の報告を受けた。突出して多きはその路線。拡幅が進まぬことへの当てつけ、否、深夜の居眠り運転が原因とか。あれだけ大がかりならば警察沙汰になる訳で特定される相手。いづれも相手方の負担にて補償がされとる、と。むしろカーブミラーや標識等の破損など生活道路上の当て逃げは相手を特定できぬこと多く、修復に充当される税金や安からず。くれぐれも安全運転で。

そう、「仮設」が置かれるは用地交渉を終えた証拠。が、そんな交渉すらままならぬラストワンマイルというか一工区。ほんの数キロ、されど数キロが市の計画に位置付けられぬまま。隣り合わせに走る私鉄路線。向こうは複々線化、こちらは拡幅を予定するに一体的な整備以外にあり得んのだけれども。何を躊躇しておるのか、と厳しい論調で詰め寄るは決算の総括質疑。

私鉄側の意向や大規模な投資を行う余裕はない、とのことなれど、あの朝の混雑状況を見れば。いや、何も単独でやってくれとせがむものにあらず、あくまでも「一緒」にどうかって話で。県道を国道に格上げした途端に整備が大きく進展したなどよくある話。んな時の為のバッチにあるまいか。折角、射止めし役職。副大臣の膝元とあらば無碍に扱えず、善処せねばならぬとの力学が。

満額とはいかぬまでも。ましてや当人は腰の低さがモットーなのだから存分に活用せぬ手はなく。まさに「オレを使え」とはこういう時に。現議長の仲介に市の幹部が訪ねるは副大臣室。同席した国交省の役人に促進を求め、首都圏における重要路線に位置づけられた経緯も明らかにされて。

さりとて、日暮れて道遠し。いや、対岸との交渉に半世紀を要したあの橋とてかなう位だからバカになれば。既に退任されたとはいえ在任中に育みし「人脈」は活用せぬ手はないと思うけど。

そうそう、添付の写真はコース途中の一枚なれど、くだんの絶壁はもっとスゴいから。

(令和4年10月10日/2739回)