課題図書

夜9時頃に新百合ヶ丘駅周辺に出没する機会があるんだけど、一時停止を意味するランプを点灯させた車列が片側道路を占拠している光景に出くわすことが少なくない。御主人様の迎えならぬ子供の塾待ちの車列らしく...。かくいう私も送迎こそ無かったものの塾や予備校、参考書等々と親の投資額「だけ」は東大クラスだったはずなんだけど、結果はこんなもんで。
かと思えば、塾など行かずとも平然と現役合格してしまうヤツもいるんだから世の中って理不尽だよな...違った、やはり「額」じゃないんだナと。最近、Aセンセイが貸してくれた一冊には教育投資は低年齢ほど効果があると幼児教育の重要性が説かれていたんだけど、確かにその限りない可能性を開花させるのが教育者の役目。
さて、各会派の団長が集う団長会議にて「海外視察」が俎上に上がったと聞いた。「国内」に限られた今の政務活動費の適用範囲を「海外」に広げてくれれば「格安」航空券にて勝手に行って来るんだけど、そりゃそれでまた都合が悪いんだとか...。
どうせならこういうものこそ見てみたい項目の一つに北イタリアのレッジョ・エミリアの幼児教育があって、世界から学びに来る人が絶えないとか。市内にある全ての乳幼児保育所と幼児学校において、アトリエスタと呼ばれる芸術家の専門家とペタゴジスタと呼ばれる教育学の専門家からなるチームが...なんて紹介されているけど、百聞は一見に如かず。話題のY式は兎も角もわが国にはスズキ・メソッドなどのアプローチがあるだけに。
が、何も目標は東大合格だけじゃない。人には得手不得手があって、好きこそ物の上手なれの格言が如く思わぬ才能が開花するかもしれんからまずは様々な機会を与えることこそ大事。その為にも人の話を聞く基本的な姿勢とか物事に臨む姿勢を養うことこそが幼児教育の意義だと地元の幼稚園の先生が教えてくれた。
さて、夏休みといえば...。私も当時は読書嫌いだったから四百字詰め原稿用紙3枚はしんどい。感想云々の前にまずはそのマスをどうやって埋めようかと。手っ取り早いのはあらすじの紹介とか文章の抜き書きなんだけど、そんな状況だったから当時の課題図書で思い浮かぶ本なんかないもんナ。で、「たまたま」置いてあった息子の感想文を盗み見てしまったんだけど、選んだ課題図書は「くろくまレストランのひみつ」(小手鞠るい著)。
そのあらすじはひとりで暮らしてきたくろくまが森の仲間と仲良しになりたくてレストランを始めるんだけど、客はさっぱり来ない。で、あることをきっかけに客が殺到するんだけど、きっかけは森の図書館。しろやぎのあごひげ館長に借りた古い本に大切な「ひみつ」が書かれていて。
「店をきれいにする」「ほこりまみれの皿を使わない」「ザリガニとかの食材を洗って出す」と。感想文の最後には「一生けんめいがんばったからだなと思いました」とあったんだけど、努力して困難を克服するって姿勢は大事。あとは本人がその教訓を生かせるかなんだけど...。