湯呑茶碗

無敵の剣豪としてそのヤンチャぶりが知られたRさんは私より年上なんだけど、私を含む周囲にいつも敬語で接しておられてその所作言動、立ち居振舞いに教わることが少なくない。やっぱりちょいと横道にそれたほうが人の機微が分かるもの。そう、期数が全てを左右するこの世界、時に年下なれど期数は上という逆転現象も生ずる訳で、私などは最年少だったから上の期に年下なく下の期に年上ありて...って話から。
仕事上は疎遠な県議の中でもウマが合う一人にK本センセイがいて、ある陳情に口を利いていただいた。律義にも御一緒して下さるとのことで当人を訪ねたんだけど、途中すれ違いざまにベテランに挨拶すれば「おい、そんなヤツに依頼する位ならばオレに相談しろよ」と。「いやいや、アンタよりもよほど...」とはさすがに言えなんだ。そんなK本県議は新人ながらもやはり私よりも年上で何かとこちらを気遣って下さるんだけど、そんなK本県議と私より一期下のH君がどこぞの席で取っ組み合いの乱闘寸前だったと聞いた。
あのK本センセイが立腹するってんだから後輩のH君の言動に問題があったと見るのが妥当にて躾行き届かぬ非礼を詫びたんだけど、本人はどこ吹く風と意に介さぬばかりかH君から「先輩が甘やかすから図に乗るんだ」と逆に刀を浴びせられて...そうそう、多分それが原因。まぁ同門の秘書として私以上に付き合いの古い二人だから然したる心配もしていないんだけど、酒席にはくれぐれも御注意を。
ある日の朝刊に新百合ヶ丘駅周辺整備の大きな文字。やはり最大会派ともなれば扱いが違う訳でわが会派の代表質問の翌日の話。朝夕の通勤に塾の送迎でごった返す駅周辺。道一本隔てれば区役所を筆頭に市の施設がズラリと並ぶ、その面積約2万平米。新百合ヶ丘駅北口の再整備を求め続けているんだけど及び腰の面々に旗振り役が見つからず虚しく響く夢物語。
が、そんな膠着状態に好機到来。昨年4月の交通政策審議会に位置付けられたあざみ野-新百合間を結ぶ横浜市営地下鉄3号線の延伸が今回の定例会において大きな進展を見せた。費用負担を巡る両市の協議がおよそ整い、横浜市交通局が事業主体となる方向で今後の2カ年で「本格的な」調査を行い、平成30年度末までに事業化の判断を行う方針が示された。以前も似たようなこと言ってなかったかって?
そう、豊洲さながらに既定路線として抗えぬ流れにはなっていたものの、事業主体や経路、中間駅等は不透明なまま。このたびは横浜市交通局が事業主体となる方向で2億円を投じてまさに「本格的な」調査を実施、つまりは本腰を入れるってことだからこの機に乗じて一気呵成に事を進めねば...と新年度はそちらの委員会に納まった。機を見るに敏とはまさにこのこと...なんてのはあくまでも自画自賛の類であくまでも巡り合わせの賜物。
そうそう、心機一転、役所にて愛用の湯呑茶碗を変えたんだけど、歴代総理の名がズラリと並ぶその中にひときわ大きな氏名があってその主は本日の主人公の...。やはり遅咲きながら大物です、ハイ。
(平成29年3月23日/2335回)