基金

代表質問の最終調整。質問原稿に答弁書を積み上げて残時間を算出。その範囲内にて再質問に意見要望、再々質問と埋め込んでいくのだけれども示された残四分の数字に意欲萎えたか、これ幸いとほくそ笑んでの膝打ちか。文章の見直しにて余剰を捻出する故、各自思いの丈を存分に...と伝えても笛吹けど踊らぬ面々。
されど答弁側なんぞは、んな内部事情を知る由もなく。再質問とあらば幾重もの庁内調整が待ち受けるとあって、急く意も分からんでもないが、こちとて身一つな上に原稿に限らぬ雑務諸々抱え込む量多すぎて処理追い付かず、待ち人五人のメモが届いて降参とばかりに「再質問なし」と貼り紙すれば押し寄せる波がピタリと止んだ。で、(私の担当分は)「ない」と勝手に宣言してみたものの、集まらぬ再質問の原稿。意欲的な期浅に指示して...。
大本命の東京都に、対抗の横浜市、伏兵といっても地の利位で随分と見劣りする感否めぬ本市。欠陥を克服すべく弛まぬ向上心は健常者以上。憐憫、慈愛の類ではなく彼らが秘めた才能と逆境に挑戦する姿勢にこそ共感を呼ばねば後世に受け継がれるレガシーは生まれぬ。
普及促進の為に市障害者スポーツ団体と連携しつつ、というけれども、どこぞの施設の使い勝手が悪いとか、与えられた利用頻度が少ないとか、利用者側の意向に偏りがちでそりゃそれで改善せねばならんのだけど、やはりスポーツの意義や魅力をまだ見ぬ方々に気付かせる、裾野の広がりなくば一過性のものになりかねず。
パラリンピックに活路を見出そうと本チャンに向けて推進室を創設して全庁一丸となるべきも個々の施策は所管課に委ねられる訳で。障害者スポーツの普及などと申してみても関連は複数の部門に及び、それが糊代が如く重層的に補い合うのが理想ながらも現実はそうならぬことのほうが多く、縄張り意識に阻まれては前に進まぬ。そのへんの実害...いやいや、あくまでも「懸念」を払拭すべく市長に一問。
もう一つは市民の善意を形に変えるトラスト基金の創設。かねてより求めるも示され続けた「検討中」の答弁。そこを見逃してきたこちらの落ち度も恥ずべきものなんだけど、今回はまかりならんと迫った相手の返答は...。及第点に遠く及ばぬ内容に不満募るのは当然ながらもそれっぽっちの結論では与えた猶予は何だったのかと詰問してみたり。
使途が選択可能な川崎市ふるさと応援寄付金、いわゆるふるさと納税の仕組みを活用すれば基金作らずとも善意は届くとの言い分。この四月に創設された子ども若者未来応援基金は本市において開催される競馬競輪の収益の一部をその分野に充当するものであって、それは従来行われてきたことなんだけど基金化することで広く善意を促した結果、個人的に...と一億円の大口があったそうで。
同じ屋根の下にありながら方や推進、方や及び腰とはこれいかに。そちらとは事情が違う、そりゃ分からんでもないが、ならば「検討中」の歳月に何を検討したのか。そんな好例があるならやってみようか、となるべきも余計なものはやらぬに限るといつもの風潮に毒されてやいなかったか。
(平成30年6月15日/2435回)