雑兵

胆振と書いて「いぶり」と読むんだけど、そちらを冠した募金活動に顔を出した。「県」連主催とあらば主力は別にある訳で雑兵に過ぎぬこちらは目立たぬよう地味に徹していたのだけれども続々と駆け付けるセンセイの動態は様々。まずは投稿用と思しき撮影を終えて行方不明なんてことは...不純な動機も欠席よりはましか。
世に豹変する御仁は数あれど当人の本性を見るにこれほど適した空間は無いのではないか。先程までの媚びへつらう姿勢はどこへやら、上司や接待客を見送った後の傲慢な態度に泣かされた運転手は少なくなく。また、一方の客側とて道知らぬ上に泥酔状態とあっては寝ている隙に遠回り、請求された金額を泣く泣く支払うなんてのも。
対人に同じ、身なりが当人の高潔さを左右するもんでもなく、銀座で拾った立派なスーツが近距離の一等地の下車なんてことも。求められる経験と勘、そして...車内で交わされる秘密の会話、と話題に事欠かない世界。定年とは無縁な運転手一筋の人生。喜寿を機に他人様の命を預かる仕事からの勇退を宣言されたNさんの退職祝いに走遊仲間が集まった。
さて、明日から十月。オクトバーランの距離申告を終えた。あくまでも自己への挑戦、ズルしようにも虚偽では得られぬ達成感。そこにもうひと工夫を凝らして走遊仲間によるチーム対抗と言われれば自己の目標達成以上に仲間に迷惑をかけれぬ罪悪感が生じる訳で毎週届く途中経過に否が応にも。まぁあくまでも自己への挑戦にて月間百キロの申告をしたはずも他に「著しく」見劣りするもんだから泣く泣く...上積み五十キロ。距離は心配無用も費やす時間をどう捻出するか。最新刊「走り続ける力」を書店の平積みに見かけたが、今年は山中伸弥教授が看板。走る意義を力説されつつ、研究資金への協力を呼びかけておられて。
スポーツが繋ぐ絆、昨今はチャリティランも多く。同じTシャツを着て走ったとて当人若しくは意中の人の症状が改善するものでもなく患者数が減るものでもないのだけれども支援者から誘われて認知症の普及啓発イベントに参加。新百合ヶ丘駅から武蔵溝ノ口駅まで御一緒に走らせていただいた。で、行った以上は帰りも当然。距離にして往復二十キロは下らんと思うのだけれども何せ九月末日にて適用外。あ~あ。
さて、決算審査特別委員会の分科会を終えた。当初の意図とは裏腹に加熱する返礼品。入と出の差が土地への愛着を示すなんてことは「ない」と信じたいのだけれども本市が経済誌に取り上げられたとか。大雑把に申し上げれば入が一に対して出が四十。単位は億円。ならばいっそ旅行券にしてしまえば流出は抑えられるんだろうけど事実そんな自治体もあるらしく矜持はないものかとボヤいてみてもそれを種銭に御当地に、などと言われると。
返礼品の原価は非公表、そのへんにストンと落ちぬ理由があるんだけれども本市の返礼品は施設への入館割引券にて。原価かからずとて効果的なものはないものか。時折目立つホールの空席、あれとて利益生まぬも公演の原価は同じ。一方の奏者から見れば聴衆は一人でも多い方が好都合な訳でそのへんを上手く...。
(平成30年9月30日/2456回)