矛先

今は政治家の愛人であれ、実業家や芸能人の愛人であれ、イザとなると表に出て来て洗いざらいぶちまける。「彼を信じていたのにだまされました。だまされた私がバカだったんです」だのとぬかす。あげく、「再出発ヌード」とやらになったりもする。まったく、惚れた女のレベルで男のレベルがバレる。
鋭い観察眼に痛快な一文が気に入って御披露申し上げたのだけど、その矛先は男か女か、どーでもよろしい。文章の主は元横審の内館牧子氏、引用元は前掲の「すぐ死ぬんだから」(講談社刊)。ということで今日も怯まずに...。
色恋モノは巷の関心そそられやすくそりゃそれで勝手なんだけれども運の上げ下げにオンナが絡むってのは昔から囁かれてきたことで。確かにプロスポーツ選手なども不振の転機が不思議とそこだったりもすれば、司法取引囁かれる例の一件とて少し前に「ド派手な」挙式と聞けば、もしや...。
まぁ「あげ」だ「さげ」だ勝手言い放題の巷をよそにかくいう小生なんぞはソレが無職時代だから落ちようなく、日々のメシ位は何とか食えとるのだけれども、以来此の方、記念日の帰宅が早かったためしはない、と「つい最近」聞いた。
さて、学年四学級の半数以上が中学受験と申し上げれば、それは「随分と」大袈裟だと関係者から窘められた。が、聞けばやはり学級内で「少なくとも」半数以上はそちらを選択するとか。受験日(平日に行われる「らしい」)なんぞ出席少なく、課せられる自主学習。向こうの都合で休んでるのにこちらが被害を被るとは釈然とせず、大人ゆえ憤慨こそせぬもそれだけで人生が決まる訳ではあるまいに、受験如きに「御」が付くかね。割高な学費払わずとも公立とて立派な先生がゴマンと...でもないか。
センセイの御子息御令嬢ともなれば当然とばかりに聞かれる進路。意に介さず柳に風と受け流すもその頻度重なり勢力を拡大する台風には抗しきれぬ様子にて増長される不安に追い討ちをかけるが如く迫りくる誘惑。新聞の記事を片手に「学費は私が負担するから」と義母。では、遠慮なく。
子の受験の為に「公立」小学校すら転居して選ぶどこぞの国ほどではないにせよ、やはりヘンではないかと同調者を探せば...居た居た。傘寿過ぎたる御婦人Tさんはよもやま話の相手に最適で早速に水を向ければ始まる一席。だいたいね、なんてったって本人よりも親だよ親。周囲の風潮に舞い上がって振り回される親が...(中略)というよりも放送禁止。幼稚園の送迎とてあんな格好で行くかね、そもそも子の迎えだよ、普段着で十分のはずも先生によく見せたいんだね、と続く。
ふむふむ、立て板に水と止まらぬ矛先が政治に向かぬことを祈りつつ、相槌打つに必死。昨今は毒親というらしいのだけれどもそんな毒親を脳医学から説いた一冊を拝読中にて。公立中学校の入学説明会が迫る。
(平成30年11月30日/2467回)