完売

命に関わると申しても年端いかぬ子供が相手とあらば。ヘビとキノコは派手が毒と教わった。ならばこやつとて...。大自然が生んだその神秘的な色彩に惹かれるは私のみではないらしく、石垣島では外来種のイグアナが繁殖を続け、従来の生態系が脅かされる危機に直面しているとか。同じ水槽に住むアルマジロは夜行性にて昼間は土中に隠れて姿が見えず、昼夜の選手交代も同館の魅力、と親切な飼育係が教えてくれた。「カワスイ」こと川崎水族館が開館。

借りたものはいづれ誰かが返さねばならず、将来世代への負担と知らば手放しで喜べぬはずも、いち早く振り込まれし給付金を喜ぶ姿が放映されれば生じる嫉妬心。そこは聞いておらんし、疑ってもおらんけど不思議と添えられる「なくとも困らぬが」との前口上。権利は失わんのだから海路の日和が如く焦らず待てば、とも言えず。募る鬱憤に振込の督促、殺到する苦情に繋がらぬ回線が油注いで現場は壮絶だったとか。

不作為ならずと大都市ほど届くに時間を要したことは事実、その間に当事者が死亡した際の扱いやいかに。あと数日早ければ、と消えぬ怨念に恨まれるは不本意。特別定額給付金に係る基準日以降に単身世帯主が死亡された際の扱いについて特例の支給を認めるべきではないかとの要請を国に上げるとか。

そんな十万円とて使ってなんぼ、箪笥の中ならぬ消費に回していただくべく発行される本市の「じもと応援券」。あくまでも「じもと」での消費を前提に三割の上乗せを図るもの。県の後追い、店舗への直接補助ならぬ利用者のタネ銭をテコにした効果を狙ったものにて利用者に選択権を与えるが妙味。広く浸透を図るべく給付金の申請書類にチラシ一枚を紛れこませたものの、それこそが「遅延」を招きかねぬかとの厳しい追及。

「ついで」の同封こそが活路を開く、生きたカネの使い方だ、今に見ていろと言わんばかりに反論を見せた以上は許されぬ失敗。手間一つ多けれど支給は他市に遅れをとることなく、尚且つ、売切れ御免の完売を目指すとしたものの、伸びぬ数字に探られる原因。周知が足りぬ、との声も全戸配布の王道は歩んだ訳で。チラシに工夫が足りぬ、いや、そこは否定せぬも開封時に受取人の目は権利書にしか向かぬが行動心理。

「じもと」と称して利用店舗を限れば確実な効果は生まれるも使い勝手がいまいちならば購入の意欲は薄く、間口と売上は表裏一体。で、そのへんが裏目に出ちゃったらしく。そんなオイシイ制度など市民の皆様に優先的に利用いただくが議長ってもんで、立場上、そこに触手伸ばすは下品と手控えていたものの、枠に余裕がある、というか「ありすぎ」と聞いて。損得以上に市の恥を晒す訳には参らぬと〆切の間際に申込んだものの、所詮は焼け石に水らしく。

いや、実は今回が初めてならず、完売の前回などはその七割が大手量販店で利用されて「じもと」への還元効果が薄かったとのトラウマに対象店舗を絞り過ぎた感は否めず。さりとて、売れねば意味はあるまい、店舗の拡大が困難ならば利用者はどうか。たとえ市外在住といえど本市に銭を落としていただけるのであればそちらへ門戸を広げても。と、勝手放題はあくまでも外野だから言える話で。

追加募集は先着順とか。

(令和2年7月20日/2583回)