馬丁

昨今の通じぬ価値観と風紀の乱れは時代劇の衰退に端を発すると信じて疑わぬ一人。「馬をひけ」-「御意」となるべきも「否」などとどこにそんな場面があろうか。それも別荘ならぬ現場に行くと申しておるのに従えぬとは全く解せぬ。もういい、勝手に行くわい、と、いつもの格好で出かければ門前に問われし用件。桜吹雪を見せてはまた騒動の元。すごすごと退散となった。往復三十キロ、途中、二ケ領用水の河津桜が見頃を迎えており。

そう、かねて疑問の一つにあの透明な手袋があって、その効能や否定せぬも潔癖を求めるあまり多頻度の交換とあらば煩わしい上に環境に宜しくない、されどそこをおざなりにするに横から横へ広がりかねず。ほどほどに、と申しても。とすると療養病棟や介護施設などはやはりこまめな手洗いを徹底した方がより衛生的かつ効率的ではあるまいか、などと思わんでもなく。

よほど杜撰な運営とあらばまだしも、不要不急ならぬ不眠不休で最前線に立っておるに一方的に責任を課せられては不憫。市立病院とて訴訟に晒される可能性は否定できず、集団感染が疑われる現場をこの目で見てみねば、と思えども。閑話休題。

大臣室の一場面。同席の横浜、千葉の両市は入っとるのに川崎は入らんのか、と大臣に訊かれて返答に窮した。「リエゾン」というらしいのだけれども田舎者ゆえ舶来は知らぬ。「迅速な情報提供や国との連携に資する、無理は申さぬが」と大臣。下手な返事は命取りになりかねず、「はぁ」ととぼけて部屋を出た。が、やはり投げられた球は打たねばなるまい、いや、打たぬにせよバットは振らねばならぬ。「見逃しはありえぬ」と本市の危機管理監も申しておった。それは災害対応の話で。

ワクチン接種に向けた支援チームの創設にあたり自治体に派遣の照会を行うも応じたのは政令市では二市のみ。本市が辞退した理由を聞かば「その道の権威、専門家を独自に抱えており、必要性は薄い」と。結論はそれで結構、しかし、相手はそう額面通りに受け取らぬもので、折角作った枠組みに入らぬとは愚弄しとるのか。あくまでも勘と勝手な推測に過ぎぬ。

が、当たらずとも遠からず、既に意向を伝えておるに「あえて」聞くとはそういうことではあるまいか。別荘、いや、東京事務所の撤退とて然り、誤った認識を抱かれるは不本意。いや、それ以上に利口な二市以外が追随を見せぬは別な理由があるのではないか。実情に見合っていないのであればそれを告げるに役人同士は酷。それこそがまさに私の役目、たとえ相手が大臣であろうとも。

結ぶに字数が足りぬ、彼の者の功績の一つ位は記しておかねばならぬ。事故を未然に防ぐ努力は惜しむべからず。運転を専門とする以上、市内の道路に詳しく、私の区内に限らず危険な個所などを進言いただく、それはそうしてくれと就任時より申し伝えてあって。

本市の目抜き通り、川崎駅前東なる交差点。京急川崎駅側から左折レーン二車線のまま流入してそのまま二車線なのだけれども一車線に絞られるのではないかとの錯覚に隣の車線に割り込んで来る車両に冷や汗かくこと少なからず。交差点内の白線一つで相当な効果が見込めるのではないか、と聞いて対応を指示しておいたのだけれどもこのたび改善が図られるそうで。

人事異動の発令近し、馬丁の命運やいかに。

(令和3年3月5日/2627回)