国葬

「馬肥ゆる」は季語の一つ、食の誘惑には抗えれぬ以上は運動量で補うしかなく。

特段の申告なき際は前年度の「実績」を目標とするとの通達。昨年度は目標200kmに対して実績210.5km。おののく距離にあらねどもつい最近まで超人的な日程をこなしていた仲間の一人が「脊椎管狭窄症」と宣告されて離脱の危機と聞かば。トレイルなんぞはどう転んでも腰や膝にいいはずもなく。と言いつつも、まずは週末のトレイル20kmから月間250kmに挑まんと。オクトバーラン。

誘いなきは何とも寂しく。やはり、誘われる、誘って拒まれぬ、が理想。コロナなど意に介さぬと各方面への勧誘に余念なき会長から直々に誘いあらば拒む理由なく。年四回、九十回を迎えたコンペ。プレー後の表彰式にて「今日はいつも下位の順位の人が上位を占めて」などと聞き捨てならぬ講評に、「男子三日会わざれば刮目すべし。五年前のハンデとあらば当然の結果」と優勝の弁を述べた。

区役所時代に口説かれて以来の加入歴を誇る元局長のAさんが前の組におられて。それまでの好スコアも私の組が追いついた直後にミスショット。目が合って失笑にうつむく私に「打たんとした背後からヘンな気を感じた」などとボヤいておられ。自らの過失を他人様のせいにしとるようでは私に勝てるわけが。

父からの預かり物あるゆえ、と訪ねて手にするは大相撲の観戦「ペア」チケット。それも俗に「砂かぶり」とか「たまり」と呼ばれる土俵脇。いつぞやに所望したことを覚えていて下さったらしく。全国放映あるゆえ同伴者には御注意を、などと意味不明な一言が付いて。がっぷり四つこそが相撲の醍醐味なれど、目立つは張り手にかち上げ。それも格下相手に。席の前方に見える背中は貫禄十分。審判部の親方はどう見ておられるのだろうか、などと。国技に問われる美学。本日が千秋楽也。

辞書に「遠慮」の二文字なき私といえども、さすがにその立場とあらば。が、今回などは御遺族の意向の前に決断があり。とすると何よりも複雑な胸中はやはり。んな当事者の心中も酌めぬばかりか、在任中にいかなる功罪があったにせよ凶刃に倒れた故人に弔意すらも示せぬ輩など思想信条の前に人としてどうか。

その設問に「否」と明確に回答した自治体は本市と沖縄県のみ。それもかの夕刻のニュースにて大々的に放送されたらしく、翌朝に地元の御婦人から御電話をいただいた。賛否を問う相手も相手なれど真に受けてバカ正直に答える市も市にて。無論、「否」なる結論も解せぬが、仮に市長が「否」なる肚だったとしてもそこは「あえて」伏す、というのが賢明な判断、大人の対応であって、全国に報道されるは本市の汚点ではないか、と御婦人。

いや、時にそんな悶着とて結構なれど、いづれも一過性のものばかりな上に後に残るは負の感情。騒いで覆らぬと知らば次なるネタを探して。世の不満が向く矛先が政治というのは宿命なれど。人の欠点しか見ぬ「さもしい」発想ばかりが増長され。不幸に陥れば他人のせいと。んな人しか育たぬ国の行末こそ危うくはあるまいか。

相手のショットの時はお静かに、そして、ミスショットにはくれぐれも御注意あれ。

(令和4年9月25日/2736回)