漫才

「賢しみと物言ふよりは酒飲みて酔ひ泣きするし優りたるらし」。エラそうに講釈をたれとるヤツよりも呑んで泣いとる奴のほうが人間味があって、とかそんな意らしく。こと最近は読む本に乏しく、そちらの世界に片足を。四千五百首は身分に関係なく。「よみ人知らず」や防人歌にも秀逸あり。そう、万葉集。

各地で催される祭礼は相手の近況を知るに好機なれど、氏子による神事のみと聞いて。後日に訪ねし一軒の農家。主が不在にて私の相手役は大正の生まれの父君、御齢百歳。とても小作には見えんのだけれども語られる当時。当時は本当にひもじい日々でな、今や乞食が大名になったようなもの、もはやいつ迎えが来ても、と待てど来ぬのが悩み。

どう見てもビョーキと知って診察受けども「異常なし」と医師にあしらわれ、死ぬに悔いなし、とこぼせば、ならば何故来るのか、と逆に問われ。禅問答だな。「死」なんぞは軽々しく口にすべきものにあらず、生きておらば私のような物好きな小僧が教えを請いに訪ねて来るではあるまいか。やれ、死ぬだ、生きるだ、もはやどちらが年長か分からぬ。んな応酬を横で見ていた齢七十の御子息がひと言、「漫才だな」と。来年は一緒にM1なんぞ。

期限切れの更新に与えられし猶予は三日間。急がねば、と殺到して。並び待つこと三時間。留守電に二度も残るはよほど腹にすえかねたと見るべきか。国葬の参列じゃあるまいに。長蛇の列に募る鬱憤、その向く矛先や。これだから自民党は、って聞こえたぞ、とはOさんの談。人聞き悪いな。満七十歳以上に配布されるバスの無料乗車証のIC化。

北部にしてかくの如く状況とあらば路線多き南部など。混雑の緩和か利用勝手の改善か、以下の窓口でも扱い可能と見かけて足を運ばば、こちらの受理は月半ばからと拒まれて。ならばハナから案内にそう明記すべきであって、そもそもに届いたチラシが不親切、私にはサッパリ分からぬ、と。窓口とて手続きそのものというよりも説明に手こずっとるは何とも不憫。分かりやすい文面を心がける、そして猶予、三日じゃ全く足りぬ。その日付を動かせぬなら通知の送付を早めるとか。相手に寄り添わんとの心がけあらば何ら難しくはあるまい。だから「役所」ってのは、そう、そちらが正解。

あくまでもタレコミの話。実際にチラシ取り寄せて見てはおらねど、抜かりなきが役人。よく見れば「どこか」に日付が記されていたりもするもんで。貴殿の早とちり、とは言わぬが花。やはり分が悪きは役所側にて。ゼロには出来ぬ、されど少なくとも現場の混乱を最小限に抑えんとの配慮があって然るべき。字の大きさ然り、要領を得とるか否かは相手の価値観にも負うものにて中には「これで十分」との御仁がいないとも限らず。

そこは目をつむるにせよ、窓口に並ぶ混乱の収拾に追われるは民間バス会社の担当者だそうで。一向に見えぬ市の職員の姿。業者の手配も終えたゆえ、と忘れておらぬか。そもそもに更新を終えることが目的なのだから本庁にて机の前に座っとるだけでは庁内の風通しが改善されんのも無理からぬ。

(令和4年10月5日/2738回)