二人

退役、というかあくまでも「暫定的」に退いとる身なれど、政令市の現職の議長殿から招待状が届くは実力の証。横浜の「前」議長に自慢げに告げれば、「オレにもきたよ」と。よもや手当たり次第に。さりとて、呼ばれた以上は、と出向くは千葉市議会議長を囲む会。横浜や相模原なら兎も角も他県となると勝手も知らず、知る人もなく。迷う会場内に、「おい、こっちだ、こっち」と招かれるまま隣りの席に。

「いや、懐かしいな。元気だったか。あの時は君ら二人には本当に愉しませてもらった」と饒舌ぶりは某市の「前」議長。いわゆる同期の桜。再会を喜んで下さるとは光栄なれど、「愉しませる」の意が。いや、そもそもに「二人」などとひと括りにされることへの違和感。相方が誰を意味するのか知らんけど、相模原の「彼」だとすると、って話。

手元に届く役所からの封筒には現金支給の知らせ。支給は非課税世帯との文句に。うちなどはそれなりの収入もあって何かの間違いにあるまいか、と窓口を訪ねれば、遺族年金はその限りにあらず、つまり、その分は非課税扱いにて支給に該当する、と。んな話題が地元の井戸端会議に上がったらしく、センセイの見解やいかに、と御婦人から。

支給対象の制限、いわゆる「線引き」による明暗はそこに限らず。いっそ全世帯に、財源が足りぬ、一世帯あたりの支給額を減らして、これっぽっちかよ、やはり借金して全世帯に、延々と続く解なき解に翻弄されるは支給の現場。その収入を含む含まぬ云々と全世帯の状況を捕捉して対象を抽出するに。ましてや問い合わせに追われる手間とて。

昨今、定例会のたびに俎上に上がるは国の交付金。「コロナ」「地方創生」「臨時」「特別」給付金。とズラリと並ぶ名目に使途を任される自治体。青色吐息の自治体には渡りに船も名を借りたバラマキにあるまいか、借りたものは返さねばならぬ、子や孫にツケ回す訳にはいかぬ、ならば返納するかと問われれば、いや、折角だから有効に、なんて。

市内小中学校の教室に置かれる大型テレビはGIGAスクール構想の一部だそうで。処分代を含む全台更新の予算を承認したはずも想定より多くの経費が見込まれ、との報告を。不足分は当初の予算額に比べて入札にて浮いた分を流用、つまりは国の交付金にて対応するゆえ市の負担は生じぬ、というけれども。

発覚の経緯や、その後に複数の業者から見積もりを入手したところ、各校舎からの搬出に予想以上の手間が、と。予算化を図る為に欠かせぬは業者からの見積もり。承認された暁には御社に発注するゆえ、との密約は遠い昔の話。せちがらい昨今なんぞは一社ならぬ複数社からとの制約に。アテ馬と知りつつ頼むほうも頼まれるほうも。ましてや今回のようなものなど全てに場所を確認していたのでは人手が足りぬ、それでいて受注の「確約」がないと知らば相手とて。

それにしても処分代を含む購入費よりも搬出に要する費用が高い、つまりは当初に示された予算額の倍以上。もし、それだけの追加が生じると「予め」知っておれば別な選択肢とて。利用の頻度とて差異はあるであろうし、国の交付金の活用とはいえ、果たして本当に「全」台が必要だろうか、と前回の質問に。

(令和4年10月15日/2740回)