五感

子の躾にせよ「叱られる」というのはまだ脈アリな訳で。深夜の帰宅に待ち受けるはその人。酒癖悪からず、と思い込むは当人位なもの、拒むに拒めぬ相手の立場を察すべし、と。

議場内の役人を前にいつになく腰低きH団長。何をそこまで媚びる必要があろうか、と問わば、本日が質問日にて色よき答弁を。既に「固まった」状態で用意されとるのだから。あの質問に隠された意図、答弁者の顔に見る内心、六期ともなれば洞察力に長けて、尽きぬ話題に過ぎたる酒量。

勝手放題に逃げ足速き面々、知らぬ間に残るは二人。部屋に忘れ物を、とずらからんとするM団長。「おい、待て」と追う途中、議会局のフロアに見かける残業姿。M君にあらずといい相手が。

議員の依頼を断れぬが役人、秘書が如く雑務を負わされるも主従の関係にあらず。座長直々に送付いただく政策提言。奇しくも直近回のテーマや公務員制度について、提言「霞が関に優秀な人材を集めるにはどうすればよいか」に学ぶ両者の関係。

そこに委ねるに提出の期限には間に合えども、サボりしツケは自らに。自業自得と放置するも一手なれど、異例の禁止令が発令されたとか。宿題に利用される対話型AI。昨今は自治体においても積極的な活用が目立つとかで今回の各会派の質問にも平然と登場する商品名。それこそが企業側の狙いだったりもして。

そこに監視の目なくば誰でも勝手に使い放題。機械化すれば監視係が要らぬ、とされた役所の駐車場。機械化、つまりはコインパーキング化されて以降も減らぬ人員。コンビニのレジとて支払いだけが自動化されるもバーコードを読みとるは人の手。機械の故障等、何かしらの際には従来のレジ業務が発生するやもしれず。業務改革と申しても時にそれ自体が目的化して。

見過ごせぬ「その後」。公金投入した以上、許されぬ失敗。公表される成果はいつも都合よく着色され。AIを駆使しての誤字脱字のチェックなどと申してもどうせその後にもう一度。そもそもに文章能力こそが役人に欠かせぬ資質のはず。とすると一から作る以上にかえって手間が生じはせぬか、なんて。

英語すらままならぬに我が国の繊細な言語への対応なんぞ。偽物交じりの意味不明な文章は黎明期ゆえの生みの苦しみ、やがては小説、いや、既に。事実は小説よりも奇なり、現実に勝るものなど。

そう、今回のわが会派の代表質問の中に市立病院における遠隔診療の可能性を問うものがあって、医師の資格を有する管理者が披歴されし所見。患者とは五感を使って直接向き合うことこそ、と。局が違えど、やれ善処だ、協議だ、検討だ、似たような言い回しが氾濫する答弁の中にあって、やはり自らの言葉で語るは心に響く。

(令和5年6月25日/2789回)