臨任

短く刈り込まれたフェアウェイに対して途切れた外側が「ラフ」と呼ばれ。同じ芝の上といえども合わぬ距離感。夏は草の成長に勢いあり、クラブ振り抜くに抵抗がまるで。あとは芝目、これも大事で、なんて知ったかを。

外周を囲むは一般道。校舎沿いには歩道も整備され。散歩がてらグランドで遊ぶ子供たちの姿を目にする、ごく日常のありふれた光景。近隣から歩道脇の雑草が目立つゆえ手入れを、との陳情が寄せられ。歩道は道路の一部にて草刈りは道路公園センターの仕事。片側は学校敷地なれどそのへんは大目に、と拝み倒して一件落着のはずが、しばし後に着信ありて。

歩道そのものが学校の敷地の扱い、と。はて、当該の歩道は車道に対して一段高くガードレールもちゃんと、あれを学校側が独自で設置したようには見えぬが、と反論すれど、図面を含む証拠書類を見せつけられるに。ふむ、確かに。とすると学校側か、されど、用務員とて昨今は非常勤にてそこまで手が回らぬ上に、業者に委託するにも予算の申請云々と、一年後に刈られてもナ。

今回は当方でやりますゆえ御心配なく、と道路公園センター。ただ、学校側との調整に猶予を、と聞くに。範疇外の作業を「やる」と申しとるのだからそれ以上は。が、日々歩道が利用される中にあって「すぐ動いた」という事実こそが彼らの評価に繋がる訳で。ならばと作業着に身を包み用務員に扮して。抜くに抜けぬ雑草の生命力。見かけ以上に量多く、刈り草の運搬まで。

さて、定例会も無事に閉幕。このたびの文教委員会における請願の審査に教員不足の解消を求めるものあり。年度当初の欠員や131名。市内小学校114校、中学校51校にて各校1名の欠員が生じていることになり。多いと見るか、少ないと見るか。病欠に産休、育休と突発的な欠員に補充される「臨任」はあくまでも「臨時」の任用に過ぎず。急な呼び出し、期間限定にその後の保証なく、使い捨てが如き契約では。せめて何かしらの見返りあって然るべきにあるまいか。

かたや、過酷な現場との認識が蔓延してか、志願者の減少に歯止めがかからぬ教員採用、ばかりか中途退職とて絶えず。ならば、と枠を超えて多目に合格通知を出せども読めぬは辞退率。大学入試が如く担保を求める訳にも。いやいや減少と申しても実際に欠員を埋めるに足る志願者がいるのだから彼らを採用すれば、と追及を見せるはあの会派。やって出来ぬことはない、が、選考の倍率が限りなく「一」に近づくに質の担保や。

基準に満たぬ以上、「今は」埋めねばならぬ。が、いづれ生徒数が減少に転じた際に基準を超えた分の解雇できるか。一時の大量採用が招きしツケは過去にも。他市に比べて多過ぎた人員が財政悪化の元凶とされたあの苦い経験。そもそもに配置基準が生徒数に応じとるところが話の肝にて、深掘りするは身分そのもの、制度の根本を揺るがしかねず。欠員を埋めるに正規こそ理想と知れど、やはり臨任「も」上手く活用する中に軟着陸を目指すが。あとは個別の状況に応じて。

それにしても学校の先生が不人気な職種とは何とも。

(令和6年10月15日/2883回)