貴為和以

仕事柄、幾つかの団体の顧問を仰せつかっているんだけれども、元々控えめな性格にて全てが向こうの御推挙によるもの。そもそもにそんな力量は持ち合わせていない上に顧問など偉そうな役職にあらずとも業界団体の為には尽くすのだからと何度か御辞退を申し上げたのだが、「そこを何とか」と懇願されて...。随分と勿体振るぢゃないか。
そんな団体から年次総会の誘いをいただくのだが、勿論、その後は懇親会の席も用意されていて。酒席が票になることは重々承知をしているものの、酒を注いで相手の御機嫌をとるのはどうも好かん。ならば総会に出席した上で生の声を聞かせていただくほうが顧問としての役割を果たせるのではないかと思っていて...。不気味な噴煙に火山活動が活発化する箱根周辺。そちらで総会を開催するとの御案内が届いた。さすがに...いや、そちらの心配よりも往復の時間が何とも。
さて、内臓に疾患を抱えて自宅療養を余儀なくされるYさんを訪ねた。縁側にて日向ぼっこのYさんが「まぁどうぞ」と。ほのぼのとしたひととき。「このへんに市の隧道があって、子供の時にそこが遊び場だったんだ」と懐かしげに昔を語るYさん。縁側から見える応接間には立派な額縁が飾られている。本市にゆかりのある有名人の揮毫だそうで。楷書、行書あたりであれば何てことはないんだけど草書となると...「貴為和以」だ。そう、「和を以て貴しと為す」は聖徳太子の十七条憲法の第一条。何事も「和」だよ「和」。
「支持政党は自民党なんだけど安倍さんだけは...。そんな人多いよ」との陰口を聞いた。そもそもレッテルを貼ったり、そんなイメージに仕立て上げるのは向こうの得意技。あんな人が総理になったら戦争になっちゃうよと恐怖が煽られた結果...。時の為政者の宿命とはいえ何とも気の毒な気がしないでもない。
白馬の王子様を期待し過ぎて適齢期を逸してしまったなんてことのないようどこかで「妥協」って必要なんだよナ。小作人が農地を手にした農地解放なんかでも自ら開墾した土地なのだから当然といえばそうかもしれぬが、それとてあくまでも他人様の土地だったんだから貰って当然なんて態度を示せば関係はギクシャクするのは当然。
さて、回数は重ねられるものの、中々思うように進まぬ世話人会に各人の苛立ちが募る。緘口令が敷かれているから多くは語れぬけれど腹は括ってブレないようにとの合意は出来た。そんな会議の為の待機場所はあくまでも「仮」控室であって、会議室に積み上げられたダンボール、その狭い空きスペースをどうにか活用している状況で中央の机の上には共用のPCが1台のみ。片道1時間かけて登庁したはいいけれどそれじゃあ仕事にならん。