道理

政界再編の流れの中で離党した議員が挨拶に訪ねた際に面会を拒まれたと聞いた。その殺し文句は「貴殿に会う道理はない」。
そうか「道理が無い」か。寺子屋の主たる住職から教わることは少なくない。乱れた言葉、同じ言葉でも発信する人によって不思議と言葉の重みが違ってくる。住職が「断腸の思い」なんて言えばさぞ苦渋の決断だったんだろうナと。そんな言葉が含まれた細山郷土資料館の閉館の案内を拝見した。ちなみに道理の住職とは別人にて誤解なきよう。
さて、常任委員会がスタート。理事者紹介に所管事務の報告、そして、何といっても「大事な」委員会視察が議題に上がる。日程的には秋口なんだけど、早めの調整ということらしく。委員長が各会派の意向を聞くんだけど何故か金沢方面の人気が高かった。まさかとは思うけど...。愛知県であれば「尾張」と「三河」、福島県は「会津」「中通り」「浜通り」。では、新潟県は?
「上越」「中越」「下越」なんだけどそれは越後の国を京都に近い方からそう呼んでいて、上越市を通っていないのに何故に「上越」新幹線なのかってのが疑問だったんだけど上州(群馬県)と越後(新潟県)を結ぶから「上越」なんだとか。で、北陸新幹線はそんな群馬県の県庁所在地、高崎駅から分岐して軽井沢方面に伸びる。従来の上越新幹線は文豪、川端康成の小説が如くトンネルが続くんだけど、こちらは遠くに信州の雄大な山々を見ることが出来る。余生はそんな大自然に囲まれて過ごすのも悪くないよナと。
さて、人口減少社会における消滅都市で耳目を集めた「日本創成会議」が新たな提言「東京圏高齢化危機回避戦略」をまとめた。提言によれば本県を含む東京圏では今後十年間で団塊の世代の高齢化が著しく進むことにより医療・介護施設の不足が深刻化するとして、高齢者の地方への移住支援が挙げられている。それに対処する為に医療介護分野における「空き家」の活用や東京圏内の自治体同士の連携、また、地方で暮らすことを希望する東京圏の高齢者の移住に伴う費用支援などの施策を国や自治体に求めている。
高まる介護需要に対して一向に追いつかぬ施設整備、入れば御の字ながらも入れずば家族の負担は限界に近く、保険料の値上がりに募る鬱憤。何よりも土地の確保が困難な上に圧倒的に高い地価が施設整備の遅れに拍車をかける。他の市町村から移り住んだ住民の介護保険給付などを転居前の自治体が支払う「住所地特例」が適用される以上、地価が安い田舎に受け皿を求めんとする首都圏内の自治体ニーズと雇用創出を狙う田舎の自治体のニーズは結びつく。
されど、果たしてそれだけの移住希望があるものか、新たな施設を整備せずとも既存の施設に一定枠を確保出来れば負担は抑制が可能。また、一方で遠方にいる親を自らの近くの施設に呼びたいとの逆のニーズもありそうだ。そんな需給調整をいかに進めていくか。住み慣れた地域で暮らし続けるのが理想だけど都市部は飽和状態なだけに新たな選択肢を示しつつ、将来の制度設計をいかにして進めるか。