サラ川

まぁ得てして世の中そんなもんなんだろうけど、「ぜひ」と乞われて即興で詠んだ二句、「薫風が運ぶ香の方顔が向き」「壇上の花の香満つる祝ひ席」が入選、しかも、天賞と会長賞なるたいそうな賞をいただいてしまった。
で、サラリーマン川柳、略して「サラ川」のベスト10が発表された。およそ自虐的な句が上位を占めるが、中でも妻に怯える句が少なくない。「あゝ定年これから妻が我が上司」とか早く帰れば怒り顔的な。そのくせ旦那の行き先だけは気になるらしく...。こちらとて聞かれれば答えねばならぬ。事実を隠そうにも良心の呵責に悩むし、隠さずに事実を告げようものなら険悪な夫婦仲になりかねぬ。ということで聞かぬが一番。
あるIT企業ではあらゆる業務の手順が管理され、移動の際に乗車する電車まで管理対象とか。マイクロマネジメントって呼ばれる手法らしいんだけどそれじゃ気が失せるのも当然。ということで帰宅が遅い理由を聞かれることもなければ日々の行動を監視されることもない。それが夫婦間の信頼の証か単に愛想を尽かされた結果なのかは知らぬ。
さて、弟がN県の公務員なのだが、偶然にも支援者の近親者がそちらの県議と聞いた。既に議長も経験された大ベテランのセンセイだそうで。そんなセンセイがある日の公務にて弟の職場を訪ねてきた。公務を終えて帰り際に署長に一言「この署にY君がいるだろう」と。まぁ本来であればそれだけで十分な圧力、本人の権威付けに効果がありそうなもんだけど職場が職場だけに吉と出るか凶と出るか。何といっても国家権力だからね。
確かに警官に知り合いがいたり、警察と良好な関係であれば何かと重宝することも少なくない。でも、近づきすぎると手の内までバレで何かの不祥事の際にはすぐ御用なんてことにもなりかねないからやっぱり夫婦間同様に適度な距離感がいいのではないかなどと...。通報があれば行かねばならぬ。それがいたずらと承知しつつも、万が一のことがあれば怠慢だなどと責任を問われかねない。そんな事情はこちらも同じか。
翌日の委員会でそちらの報告を受けるのだとかで現地を見ておきたいという新人に誘われるがままに話題の簡易宿泊所を訪ねた。無残に晒された焼け跡から地獄絵図を想像するに難くなく、すぐ横に隣接するマンションに燃え移らなかったことが不幸中の幸いか。市は立ち入り検査を実施した49棟について月内に違反建築物を特定するという。当日は同様の簡易宿泊所が立ち並ぶエリアを見て回ったのだが、違和感を抱く建物であることは一目瞭然。違反は違反と知りつつも過去の経緯から見過ごしてきたってのが事実なんだろうけど、とりあえず上手く回っている以上は波風を立てぬほうがいいとの判断が働いていたんだろうナ。