密室談義

さて、来週は代表質問に議案審査の委員会とまさに天下分け目の関ヶ原。特別秘書の議案を巡って私のところまでいろんなところからボールが投げ込まれる。そんな変化球を打ち返しつつ...いや、いつも空振りで知らぬ顔をしているんだけど、三十六計逃げるに如かずだから。全国的には珍しくないから本来はここまですったもんだする議案じゃないんだけど...。
前回も同様の議案を予定していたものの前日に取り下げた経緯があって、そこには議長経験者の相当な圧力があったとか。そちらの面目躍如なんだろうけど、取り下げた理由はあくまでも「時期尚早」というのが市長側の認識。ならば改選後に「全く」同じ議案で新たに信を問おうとするのは当然。さりとて、議会側の認識は「時期尚早」というよりも制度そのものへの異論が根強い。
そのへんの認識の違いが事の発端なんだろうけど、誰がどう見ても有権者の反応は明らかであって、仮に私が当人であればこんな議案は絶対に出さぬから否定的なんだけど何よりも世論を見誤る主君に諫言を呈する人物は居なかったのかというのが残念でならぬ。公務員として向くべきは市長の顔色ではなくて市民の生活じゃないのか。そういうのを奸臣っていうんだ。
一方では内定者と思しき方が自ら吹聴していたなんてのも脇が甘すぎ。「オレは市長の秘書になるんだ」なんて有頂天になっちゃったんだろうナ。そりゃセンセイ方は面白くないよ、その発言は議案が可決されることが前提なんだから。ましてや市長は主要会派が擁立した候補者を打ち破った宿敵にて当時のしこりも残るだけにより慎重さが必要なはずなんだけど。待機児童対策や中学校給食に莫大な税金を投入しながらも行財政改革の成果が見えてこないことも拍車をかける。
が、後悔先に立たず。上程した以上は絶対可決させるんだって相手は不退転の決意で臨んで来るから様々な駆け引きや攻防が展開される。多少モメて何かしらの妥協案で三方一両損の成立となりそうな事案も火に油が注がれた結果、予断を許さぬというか一触即発の危機的状況にてとりわけ注目が集まる最大会派の動向。「時間が取れぬか?」とある筋より打診があったんだけど、何かにかこつけて丁重にお断り申し上げた。万事公論に決すべし。密室談義は不信感を抱く。
そりゃ当人は非常事態を収束させようって善意なんだろうけど特にコソコソ話は目立つ上に蚊帳の外にしてみれば不愉快千万。私が新人の頃などは議長室の密談なんかで物事が決まってそれに納得できずとも従わざるを得ないことが少なくなかったから...。そりゃ時に理不尽なことにも妥協せねばならんこともあるのは承知の上だが、これからの世代には権威を楯にゴリ押しで捻じ伏せるようなことがあってはならんし、不快な想いをさせちゃイカンと思っていて...。