酢豚

ゲゲゲの鬼太郎で有名な漫画家の水木しげるさんの追悼番組が多いと聞いた。畏怖の念が無ければ傲慢で横暴な人物になっちゃうからコワいものって大事。それは運とか天の啓示なんてので片付けられることもありそうだけど妖怪が居てワルさをすると「おばけが出るぞ~」も悪くない。
境港の鬼太郎ミュージアムこと水木しげる記念館を視察したのは数年前。その作品もいいけれどもそれ以上に同氏の人生というか生き様、人生観が何とも良かった。「ゲゲゲの女房」や著書「のんのんばあとオレ」に詳しいけど過去のエピソードの数々は示唆に富んでいる。
生涯の伴侶を得る際にも水木しげるさんの食べっぷりを見た相手の父親が彼はいいヤツだと。それが決定打だったというのだから見抜いた相手の父親の慧眼には恐れ入るばかりだが、やっぱり食いっぷりってのは大事、そもそもに生きるってことは食って寝ることなんだよナ、って勝手なこじつけだけど...。
そうそう、私のようなものにも毛筆で宛名が記された案内状が届いたんだけど立党60年記念式典。サプライズゲストはあのポースで有名な..。が、私は休日居残り仕事にて対面かなわず、さすがに「生」もカッコ良かったとか。そんな同氏の好物の一つに「酢豚」があるそうなんだけど、「酢豚」に関しては実は私も...。道理で親近感がわくというか似ているような...バカか。
大通りに面して目立つ暖簾の割には客はまばら。そんな店が以前から気になっていて最近初めて仕事帰りに立ち寄ったんだ。向こうは気付いたか知らんけど、こちらは自己宣伝などせぬよ、孤独のグルメだからね。そんな店にありがちな商売っ気の薄い老夫婦が営んでおられて、メニューの中で「酢豚」だけが割高で妙に目立っていたから店の看板に違いないと注文したんだけどこれが抜群に旨かった。店の名前?内緒だよ内緒。さて...。
議会日程は常任委員会における議案の審査を終えて一般質問に。通告した途端に押し寄せる役所の波。早く質問をよこせとばかりに執拗に追い回されるんだけどそんな用意周到なはずもなく。「必要なら呼ぶから」とそっけなく伝えて席に戻れば、数分もせぬうちに次の呼び出しが...。「私ども(の局)への質問は?」-「知らん」とぶっきらぼうに返事をした。で、屋外に逃亡しようとした矢先に庁舎一階でNさんとすれ違う。
「もう帰るんですか?」-「おい、バカ言っちゃイカン」。でも、そんな冗談を言える間柄でなければホンネの話は出来んよナ。勤務年数の割には決して立派な肩書はないんだけどいつも局内の調整役に徹していて同僚の信頼も厚く局内では抜群の調整力を見せる。こちらの言い分を咀嚼した上で各方面に根回しして「OK」の結論だけ届けていただくことが少なくない。しかもその手柄をちゃんと然るべき人に渡しちゃうんだから大したもの。
こういう貴重な人材が在野に埋もれていては市の損失と二階級特進で推挙しようにも当人に出世欲は無さそうであるし、ならば銀座の鮨屋でメシでも御馳走しようにも間柄が間柄だけに...そんな気ないナ。結果、「不本意ながら」放っておくしかないんだけれどもそんな職員が報われるように自らの職務を果たさねば...と思う今日この頃。