我逢人

迎春。相手に惚れ込んだ当人が趣味を聞かれて憚らず「趣味は田中角栄」と言った話はつとに有名だが、私との初対面の日時と状況を今以て「克明に」覚えておられるのだから恐れ入る。妻とてそんなことは「全く」覚えていないと思うけど...。
暮れの挨拶回りなども今さら顔を出した出さぬで寝返る返らぬというもんでもないはずなんだけど、怠るとどうにも落ち着かぬ。あくまでも達成感というか自らの自己満足に過ぎず、それだけやって支持を得られなければやむを得ないナと自ら納得させる材料「だけ」かも。それが後援会長の御宅ともなれば尚更で数日前に「よい御年を」なんて別れたはずが、やはり...。細山の奥座敷と呼ばれる御屋敷そのものも立派なんだけど手作りの正月飾りが何とも伊達でそれだけでも必見の価値アリ。
さて、冬休みの宿題といえばやはり書き初め。ダイニングテーブルでやるなどと言うから「バカもん、正座して書くもんだ」と叱ったのだが、模範を示せとばかりの視線に久々に私も筆で手本を書いた。書道教室には5年「も」通ったはずなんだけど一向に上達しなかった。そもそもの動機が不純だったからナ。それでも時折「賞」など貰っていたから及第点位はありそうだけど。
そう、「書」といえば平成28年「碧流」と名の付いた揮毫カレンダーが売切れだとか。大御所のセンセイ方による座右の銘らしきものが並んでいるんだけど、何か教養を試されているみたいでこの手の類はどうも好かん。まずはわれらが幹事長の揮毫は「脂我名車策我名驥」とあって、もうさっぱり分からん。対するは道路族のドンと囁かれる二階俊博センセイ、その揮毫は「花は色 人は心」。そうそう、やはりこうでなきゃいかん。
で、気になる大将の揮毫といえば...「桃李自芳」。うん、字数も漢字の難易度もほどほどで丁度よろしい。とて、意味は調べて分かったんだけど「桃も李(すもも)もモノを言わないが、芳香に誘われて人が集まるので、自然に道が出来る」意だそうで。そうか、人に好かれることが大事だっておらがセンセイも言ってたナ。
そうそう、揮毫といえば、昨年末の本会議の際に暮れの宴会続きでうとうとしていたら隣に座る1期下のHセンセイが「寝るな」とばかりに水を向けてきた。「エレベーター内のチラシ見ました?」と、然して興味もないから「知らん」と返事をしたのだが、本市を「代表する」正副議長さんによる恒例の新春対談の宣伝が貼られていたらしく。両名がアナウンサーと並び、自らの揮毫を披露されていたんだけど、副議長は「努力」、対する議長は...「我達人」。