わらしべ長者

〆切前夜に押しかけた編集者の催促に重い腰を上げて徹夜で一気に仕上げた。でも、案外それがいい作品だったりも...。世話役の御婦人から催促があって、即興で作った手抜きを詫びたんだけど隣にいた御主人が文筆家を例に猶予があればいいってもんではないんだよと。恒例の新春俳句大会の投句を終えた。
さて、暮れの挨拶回り。国会のセンセイともなれば運転手付きの街宣車でのローラー作戦。家の中でも十分に聞こえるから宣伝効果は抜群で賢い選択なんだけどやはり歩いてなんぼの世界。「まぁどうぞ」と招かれるままに縁側で昔話を聞きながら談笑する様はほのぼのしていてどこか懐かしい気分にさせられる。「老夫婦日向ぼこして年用意」と一句。
帰り際にいただいた大根を見た隣の御宅では白菜、その隣ではキャベツにかぼちゃと野菜が野菜を呼んで...。そりゃ地元農家が丹精込めて作った自慢の野菜だけに全て残さず食べねばバチが当たりそうだけどこちとらそんな大家族じゃない上に兎にも角にもその量が...。
折角の申し出を無碍に断るのも相手に失礼だけに両脇に抱えて歩いていれば野菜泥棒のヘンなおじさんみたいで目立つ。まぁそれが地元人気のバロメーターなんだけど...。途中、路上の人にあげたりもしちゃうんだけどこれが好評にてほんと喜んで下さるんだ。まさにわらしべ長者が如く1本の大根が何に化けるかって?そりゃ聞かずとも...。
既に他界された御主人が生前に植えたみかんが豊作だそうで。そちらの思い出話を聞きながら御土産にいただいた。天国で元気にしてるかな?実は挨拶回りの際にみかんを貰う機会が少なくないんだけど野菜と違ってそれぞれに特徴があって大きさも不揃いならば内皮の厚さも様々でそちらをいただくのが愉しみの一つ。
こだわりの品といえばカレンダー。やはりそれぞれにこだわりがあるらしく当方の事務所にも随分といただくんだけど、これも来客が喜んで持ち帰って下さるもんだから事務所の分が...ない。デザインよりも機能性、「大安」とか「友引」とか六曜が記されていて空欄に予定が記入可能なシンプルなものが使い勝手がいい。ということで地元の定食屋で見かけたW工務店のカレンダー。挨拶がてら「そうそう、これを貰いに来たようなもんで...」とは余計なひと言だったか、「来年から届けるよ」とK兄。