聖達磨

以前、相手候補に色恋の些細な噂が流れたことがあって、ある日の酒席で「オマエが犯人だろ」と泥酔した女性市議に胸ぐらを掴まれそうになった。「バカ言うな、有権者にカネを配ることはあっても他人様の足をひっぱるなどという姑息なことはせぬ」と窘めたのだが、酒癖が悪いってのは始末に負えぬ。私のブログは着色が施されていることが大半だけど今日は実話。本人の名誉の為に氏名は伏せておくけど。政治家が気をつけねばならんのは「酒」「カネ」「オンナ」だそうで。くわばらくわばら。
さて、浮上した政治とカネを巡る疑惑。その地位になればいろんな人物が群がるもので中には断るに断れぬ依頼もあるだろうから幾ばくかの憐憫の情を抱きつつ、その推移を傍観しているんだけど誰でも負い目はあるもの。そんな人の弱みに付け込んで格好の材料とばかりに陥落を狙う輩はどうも好かん。
「便宜供与はけしからん」などと善人ぶってもいざその時になれば「息子を保育園に...」なんてのもあるやもしれぬ。で、事が成就すれば御礼だなどと菓子折が「勝手に」送られてきたりもするんだけどいちいち返品するのもどうかと。何か見返りをせねば心のつっかえ棒がとれんのだろうけど、それで相手の心が晴れるならと...。金品の類はほんとに要らんので。
迫りくる参院選に囁かれる解散。おらが地元のN代議士などは挨拶で「人気アイドルグループは踏みとどまったが、うちは暗雲立ちこめて...」と。おい、そんなくだらん冗談言っとる場合ではなかろうに、緊張感が足りん。そう、選挙といえば赤いバラ。本屋に積み重ねられた一冊の表紙に赤いバラを発見。「小僧、何度言えばわかるんだ。俺は勝てない選挙はしないんだ」とのセリフが目を惹いた。
百戦錬磨の選挙コンサルが挑む一戦は政令指定都市の市長選挙。圧倒的な支持率を誇る現職に無名候補を当選させるってのがあらすじでその書評は個々の判断に委ねるけど、途中に「異議あり!」とか「スクラップ&ビルド」だとか、挙句の果てには現職市長は音楽が趣味のK姓にてどこか親近感が...。真山仁著「当確師」。
選挙になれば自称「プロ」なる選挙ゴロが現れて勝手な予想や票読みなど知識をひけらかされたりもするんだけど、まぁおよそ選挙コンサルなんてのは山師の類でやっぱり地元を歩いて得た数々の経験の中にこそ選挙を勝ち抜く必勝法が埋もれている。とりわけ都市部となれば顔が見えぬ、地道に基礎票を積み上げても当選ラインには到底及ばぬ上、有権者との情緒的な繋がりよりもマスコミ報道が左右する側面が小さくないから何かふわりとしたものを相手にするようなもんだけどかといってサボれるようなもんでもなく。