あぶデカ

俳優の舘ひろしと柴田恭兵が演じるタカ&ユージの刑事コンビが犯罪に挑む「あぶない刑事」シリーズ。目下上映中の「さらば...」のキャッチコピーは「伝説が、遂に、終わる!」で「伝説」の上には「レジェンド」のルビ。刑事といえども公務員、定年退職まであと5日と迫る二人。管理職に昇進した元部下が二人の先輩に平穏に退職していただこうと気を利かせて拳銃と手錠を取り上げるものの...という展開。
会社に不満があれば新天地に、とのわれらが転職組とは訳が違って苦節四十年。韓信の股くぐりが如く恥を忍んで耐えに耐え泣いて笑ってまた泣いて、晴れて迎える退職日まであと二十日。万事低姿勢にてつつがなく...では不本意か、やはり「あぶデカ」でなければ。過去にそんな配慮は見せたことはないんだけど、まもなく定年を迎える区長にこれまでの公務員人生を振り返っての所感を...と市長以下居並ぶ本会議で晴れ舞台を用意したんだけど、その割にはソツなく無難すぎる答弁にて。よもや第二の人生を獲得する為の伏線ではあるまいな。
さて、ここだけの話、というか隠すもんでもないけれど来年度には海外視察が予定されていて、各会派の代表による検討委員会の協議が大詰め。ことさらにその必要性を訴えるもんではないけれど、「ある」以上は御荷物にならぬようその末席に名を連ねてこれまで行かせていただいたこと数回。近年、といっても昔を知らぬだけだが、視察先もそれなりの吟味を重ねての結果だから後ろ指をさされるようなものでもないはず。
これまでの慣例に従えばおよそ欧州か米国なんだけど今回はアジアなんてのも候補地になっているらしく。私などは発展途上国の貧困や押し寄せる難民に苦悩する欧州の実態なんかを見てはどうかと思うんだけど、さすがに十名程度の御上りさん御一行は目立つ。スリには格好の標的になりかねず、センセイ方に万が一のことがあってはとの配慮が働くから北欧あたりの福祉でもなんて結論になりやすい。そもそも文化も価値観も人口も違うのだから一概に比較出来るもんでもなく欧米信奉もほどほどにせにゃイカン。まぁ任せた以上は部外者が余計なことを言うもんではないけど...。
そうそう、かつては市の研修の一つに海外派遣制度なんてのがあったそうで自ら志願した職員が海外で見聞を広めることが出来たとか。その後、局長まで上り詰めて退職されたTさんなどもその一人。当時、予め申し込んだ欧州のとある施設を約束の日時に訪ねれば相手方から「川崎市?明日だ」と門前払いにて渋々折り返して翌日に再度出直せばどこかで見た日本人の集団が...。そう、本市の海外視察団とバッタリ。方や二十代の若手職員に対するは雲の上のセンセイ方。神の悪戯か、偶然が重なりセンセイ方御一行との視察は緊張の連続だったと聞いた。
量より質に転換を遂げた本市の行財政改革。その肝は人材育成にありとされているんだけど人事評価は目に見えぬだけに恣意的な評価にならんとも限らぬ。同じ研修の機会を与えるのであれば意欲ある人材に機会を与えるほうが押し付けられる研修よりも遥かに意義深く、そんな機会があってもいいのではないかと。