嘘発見器
諸々の都合をやりくりしての参加だけに表彰式を残して帰る方もチラホラと。翌日以降に御礼の挨拶兼ねて当日の賞品を届けるんだけど隣近所の話題もそちら。「おっ、Tさんも参加したんだな。スコアは...ふむふむ、なかなかいいスコアぢゃないか」などと村の潤滑油として重宝がられていて。
翌日には参加者から手紙が届いた。数年前に脳梗塞を患い、その復帰戦とばかりに臨んだ今回のコンペでは足腰の筋力が足りなかったと悔しさがにじみ出る。過去に会社のコンペで優勝して以来、社内では「プロ」と異名をとったSさんもさすがに今回ばかりは低位に甘んじた。それでも私より上位なのだから何ら恥じることもなさそうだけど、今後は更なる筋力アップを目指してジム通いを決めたとか。
さて、各国で相次ぐ無差別テロ。その実行犯はいづれも若者であって、有能で純粋な青年たちが凶悪なテロリストに身を投じた転機とは...。挑発する黒装束が記憶に新しいが、一冊の本「ジハーディ・ジョンの生涯」(ロバート・バーカイク著)が目についた(随分マニアックだナ)。が、彼らに匹敵する残忍性を備えた若者の犯行、正気の沙汰と思えぬ凶行に深い悲しみと憤りを抱いた方も多かろうが、テロリストとの違いは何か。
仕事柄、対人関係が左右する面が大きいから心理面の知識は多少心得があるつもりだけど、護送中の不敵な笑みは犯した行為への反省というよりも自己陶酔と見た。死して報われると完全に信じきっている彼らは命乞いなどしないが、こちらは事件後の取り調べで遺族への謝罪の言葉を口にしたとか。が、犯行当時は精神的な錯乱状態だったなどと一部の同情論や人権派の救済にあやかろうとの下心があるとすれば些か...どころか随分と虫のいい話で余計にタチが悪くはないかと。
精神鑑定などといってもそれで救われるとなれば恭順な姿勢やキチガイじみた精神倒錯を演出するのはたやすいもので、科学の粋を結集した嘘発見器などといっても結果は「ほぼ」間違いないんだろうけど、中には図太い神経の主もいるであろうし、「絶対」かと問われればそこまでの確信はどうか。当時の精神状態を理由に情状酌量の措置が取られることは被害者の御遺族にとっては憤懣やるかたなく、それでいて、釈放後には匿名の手記などを出版して著名人を気取るなんてのはあってはならん話で遺族の心情を逆なでする以外の何物でもない。被害者よりも加害者に寛容な国の善意は逆に相手をつけ上がらせる結果に繋がりかねない。
そう、このたびの事件において犯行に及ぶ過程における一連の対応が検証されると聞いた。容疑者の狂気じみた挙動に入院の措置が講じられたものの、その後の経過から医師の診断結果により退院。退院の事実は警察に知らされていなかったというが、つい、最近、本市において児童虐待の事件があった。報道によれば警察からの通告に対してCWが何度か母親の相談に応じていたものの、他都市への転居から対応を中断。転居先の自治体への連絡はせずにおいたものの、再び市内に戻った事実を掴んでなかったらしく。
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