手抜き

待望の夏休み。私などは当然の如く日課だったもんだから「おい、ラジオ体操には行かんのか?」と聞けば返事なく。然らば「おいどんの朝メシは?」と問うてみても一寸気配すらなく、一人寂しく玄関のドアを閉めた。
炎天下に慣れぬ外回りなどするもんだから汗だくでかなわん。ガンガンに冷房を利かせた屋内も捨てがたいが、やはり夏はこちらに限る。と、ヨネッティー王禅寺に立ち寄った。ここは隣のごみ処理センターの余熱を利用した温水プール。体型こそ逆三角形にはほど遠いけどこう見えて当時は水泳部の主将も務めた水泳男子。
そもそもの動機は重度の小児ぜん息に悩む私を見かねた担任が自ら顧問を務める水泳部に誘って下さっただけなんだけど、ほんと夏は海にプールにほぼ一日中泳いでいたから北島選手とまではいかぬまでも...いや、ほんと水泳はかなりの上級者です。当時の花形は何といってもバスケ部で水泳部などは地味目ながらも今にして思えば実用的でいい選択だったかも。
そうそう、昨今は泳げぬ生徒が多いそうで、本市などもプールが苦手な児童を対象に「子どもの泳力向上プロジェクト」なる水泳教室を実施中だとか。かくいううちの子供なども泳げぬ一人、というか教室内でも「ほぼ」ビリの泳力にて夏休み中に克服するようにとのことらしく。「泳ぐ」「走る」はヒトの基本動作だから誰でも出来るなんて余計なひと言が妻の癪に障ったかそちらの教育係を請け負うことになってしまった。ということで今日は「水」の話題なんだけどこちらはかなり深刻な話。
夏本番ともなれば夕刻の積乱雲に雷鳴轟く土砂降りってのが特徴の一つだけど、兎角、近年の降雨量は過去を遥かに凌ぐ。ゲリラ豪雨なんて命名はあまり好かんのだけど、局所的な集中豪雨による被害が絶えない。少し前に支援者から自宅前の道路舗装が「手抜き」ではないかとの相談を受けて、そりゃもうほぼ言いがかりというか単なるタチの悪い冗談にすぎないのだが、現場検証に出かけることになった。
浸透性などといってもたかが知れたものでどれだけ抜きんでたものであってもさすがにこれだけ降れば道路は川の如くなる訳で...。まぁ「手抜き」云々というよりも自宅前の雨水対策の話で本管へ注ぎこむ繋ぎの雨水管の径を太くすることで改善策がまとまりかけた矢先にやはり集中豪雨で近所の踏切が冠水、それが原因で電車の運転が見合わせる異例の事態に。後日、私鉄側から早急に対応を講じるように求められたと聞いた。