満月

「いついつの満月の前後に天変地異が...」なんてのは迷信の類と一笑に付していたんだけど、スーパームーンにニュージーランドの地震、月の接近による磁力云々などと言われて次回を調べてしまった。
トランプ氏が大統領を目指した動機は前回の大統領選において当時の現職にこき下ろされた屈辱に対する怨念との分析を見かけたけど、成功の裏に隠された動機が意外と不純であったり、大事のきっかけがほんの些細なことだったりというのは少なくない。既に人生折り返しを過ぎた私には夢物語なんだけど子供たちは無限の可能性を秘めている訳で、あの日あの時に聞いた話がきっかけで...と。
地元の小学校におけるJAXAの出前授業とスーパームーンが重なった。帰宅後に息子の報告を受けたんだけど、宇宙飛行士になる為には、まずは泳げること、そして、周囲との協調が図れること、幾つか続いて...日本を好きなことと教わったとか。やっぱりそうでなくっちゃ。
日が重なるといえば偶然にもドイツ連邦議会の視察とベルリンの壁崩壊、おまけにトランプ大統領の誕生が重なった。連邦議会といえば日本の国会。そちらの大物議員との意見交換なんてエラそうな項目もあって、格差是正を理由に未だ東ベルリンに投じられる投資や移民の流入にくすぶる不満、中東諸国と国境を接しない国における移民政策とダブリン協定への所見等々、聞く内容には不自由せぬものの、こちとら国会議員ではあるまいし。地方自治制度とか若者の政治参画とか議論されていたみたいだけど。「みたい」なんてのは他人事な言い回しに聞こえるけど報告書は私の担当らしくこちらとは比較にならん精緻な文章で仕上げるから乞うご期待を。
選挙年齢の拡大に伴う高校生への主権者教育。偏向的な内容を教えられてはかなわんってのは左右どちらも同じ。あくまでも中立を旨とするなんていってもわが国の中立ってのは中庸に同じ、波風立てずに平凡なことを淡々と。尚且つ、詰め込み暗記の国ゆえにそのまま社会に放り出される訳で。そう、昨日の舶来語は御存知か、ボイテルスバッハ・コンセンサスってのはあくまでも両方の概念を示して本人に選択又は判断させる。だから時に教師と生徒が違う結論に辿りつくこともある訳で、それを互いに尊重する姿勢が「自由平等」に繋がる。まぁ詳しくは報告書にて。
そうそう、やはり昨日のヨーテボリの高校の全校生徒3千人中に日本語を専攻する生徒140人が含まれる。当日は彼らに日本を紹介し、生徒との質疑応答を図る授業があるなんて聞いたもんだからそりゃもう興奮冷めやらず頭がフル回転。イザベラ・バードやシェリーマンの見聞録に見るまでもなく世界中の視線を惹きつけてやまぬ日本魅力を「異国」の「若者」向けにいかに伝えるか。観光ガイドに紹介されるありきたりの内容よりもやはり一つのストーリー、つまりは物語のほうが記憶に残ってくれるはずなどと白熱教室の気分で悦に入っていたんだけど、どうやらその「おいしい」役回りは私ではないらしく...。
遠い異国の彼らの目に映る日本とは、続きは次回に。
(平成28年11月19日/2305回)