佐渡

海はひろいな大きいな~♪に続く歌詞は「いってみたいなよそのくに」。漁村...というほどの田舎でもないんだけれども海辺育ちとしては地平線の彼方に想いを馳せてみたくもなるもの。
大変失礼な物言いながら自らを棚に上げて「あんなところ」と幼少に聞いた母の一言が記憶に残り、同県の出身ながらも一度も訪れたことがない御当地は元々は流刑の地。それが、江戸時代に金鉱が発見されて以降、幕府直轄の天領、そして北前船の寄港地として一世を風靡した。
都落ちの風流人が伝えた雅(みやび)が今なお残り、風光明媚な地形に四季が織りなす大自然の数々。カンゾウの花畑はちと早過ぎたが、北斗七星に柄杓の先の北極星があれほどはっきり見えたのは久々。俳聖の句に見るまでもなく海に星空は絶妙の取り合わせ。
彼らが失踪を遂げた70年代、時代と場所が重なるだけに他人事では済まされぬ。会場では拉致被害者の早期救出を求める署名活動が行われていて、曽我ひとみさんからいただいたブルーリボンを胸に通算19回目のフルマラソン完走を遂げた。
ウルトラランナー(を名乗るのもおこがましいのだけど...)としては余裕の完走となるべきも体重がやや重め残りにて「些か」手こずっての完走。こちとら前段階でいかに無駄な体力の消耗を防ぐか、つまりは余計な体力を浪費せぬことに腐心する訳だけれどもあちらさんなどはスタート前から入念な走り込みで。そう、完走は当然であとはいかにいい走りをするかが狙い。
前日に参加したボウリングなどもこちとら倒れたピンが当たった幸運のストライクにガッツポーズも巧者は単なるストライクでは寡黙な表情を崩さず、さすがに離れた2ピンのスペアの時だけは硬い表情が綻んだ。同じ選手でも物事に向かう姿勢がまるで違うんだナ。
そう、言わずと知れた本市の市政運営の二本柱は「総合計画」と「行財政改革」。特に後者などは職員数の削減に主眼が置かれてきたものの、全体の業務量などはさほど変わらん訳でそのしわ寄せから不本意な残業に繋がっているとか。そんな折、昨今の風潮も追い風となり、量から質への転換を図るべく「働き方改革」なるものが次なる柱に昇格。
その一つに長時間残業との決別と特定日における定時退庁の完全実施が高らかに謳われていて、そりゃそれで結構なんだけれどもそれのみを金科玉条が如く振りかざされては不都合も生じかねず。量より質なんていえば聞こえはいいけど量と違って質は数値化されにくく、不満の有無は価値観の違いにて安全神話のゼロリスク同様に求めればキリなく、不満解消が必ずしも業務改善に繋がるとは言えぬ訳で...。
そんな役所の説明時に同区のOセンセイが疑問を投げかけた。まずは残業せざるを得ない理由、つまりは日々の業務内容を分析した上で...云々と。まさに正鵠を得た指摘もそれでは二番煎じになりかねず、ならばマラソンやボウリングの姿勢に学ぶべきものはないものかと。
蛇足ながらこの夏に100キロを御一緒する鉄人から完走祝福のメールが届いたんだけど佐渡一周208キロ48時間ってレースがあるそうで、次回はそちらをお薦めすると。
(平成29年4月26日/2343回)