区域指定

ぼちぼち宿の手配でも...と予約サイトを見ていたんだけど残数わずかな上にべらぼうな、いや、言葉が悪かった、「常識外」の料金とあっては折角の意欲も失せてしまう訳で一泊6千円のビジネスホテルが当日「のみ」1万7千円。他も軒並み同程度の料金にて、おいおい、それこそ談合ではないのかと陰口を叩いてみてもモノの値段は需要と供給に神の手が働いた結果とアダム・スミス先生は説く。が、やはりそんな理不尽な要求に屈してはバッチが泣くというもので(おい、勝手にバッチを出すな)、目の前の壁をいかに克服するか知恵を絞ることこそ人生の妙味。
大会チラシに低廉な宿の斡旋とあるものの、相部屋とあっては必ずいびきに悩まされて迎える寝不足の朝の体調は万全とはほど遠い。大手旅行会社が当日の予約を見込んで予め押さえた分があるだろうから直前になれば...との淡い期待等々、あの手この手を想定して到達した結論がこちら。予約サイトに表示がされぬあのホテル、大震災の際などもフル稼働だったのだから羞恥心さえ捨て去れば...。半ば覚悟を決め込んだものの内緒の裏技で一泊4千円で折り合いが付いた。えぇ、勿論、フツーのビジネスホテルです、ハイ。
さて、常任委員会の行政視察を終えた。委員各位とよく相談の上...と任せていた視察先は広島市及び神戸市。広島市では平成26年8月の豪雨による土砂災害からの復興が含まれる。最大時間雨量100ミリ超の局地的豪雨に住宅地後背の山の崩落により死者数77名を記録した被災地を訪ねて慰霊碑に手を合わせた。土石流から守ることを目的に渓流ごとに整備が進む大規模な砂防堰堤を遠目に見つつ、大自然の猛威とはいえども災害時における避難指示や危険区域の指定のあり方により被害を軽減させることは出来なかったのか、その災害を振り返って学ぶべき教訓は少なくない。
災害時において切土以上に盛土が危険というのは半ば常識。あれから二十年、見事に復活を遂げた神戸市などはさすがに当事者意識が高く、阪神淡路大震災とその後の新潟県中越地震の教訓から宅地地盤災害を未然に防止又は軽減することを目的に滑動崩落の危険箇所、つまりは大規模に谷や沢を埋めた谷埋め型盛土造成地や傾斜地に盛土をした腹付け型盛土造成地などを全て抽出した上で変動予測調査を行った結果を公表されていて、そんな宅地耐震化推進事業も今回の視察項目の一つ。
危険箇所の指定といえば近年は局地的な集中豪雨による河川の氾濫が少なくない。古来より蛇行を治してきた経緯があるから新旧の河川図を重ね合わせれば決壊の危険箇所は予測可能。過去に洪水ハザードマップに関連した質問(平成27年第5回定例会,12月21日-09号)において、旧河道を含む地盤の緩さは浸水想定区域図作成マニュアルの条件にはないとの答弁に過去の教訓を踏まえて危険区域を知らせておいて損はないと対応を求めたものの、不安を煽るとか資産価値が云々だとか及び腰にて。
おい、人命がかかっとるんだぞ。
(平成29年5月16日/2348回)