部活

委員長とあらば従来の資料以外に「特別に」用意される台本。軽く折られた右隅は頁をめくりやすくとの配慮か。当日の発言は会議録に残る訳だから予め台本があったほうが相手方にも好都合にてそちらさえ手元にあれば委員長なんぞ誰でも...違うか。
そう、こないだなどは委員から新たな制度の創設を求める意見があって、一方では既存制度で事足りると慎重派。十分か否かなんてのは価値観の違い、勝手な解釈の類であるからよほどの不都合でも無い限りは万事慎重派に従ったほうが無難なんだけれども多勢に無勢と妥協を迫られる相手。シナリオは二つ、双方譲らず両論併記か、全会一致の合意を目指すか。
裏工作が奏功して提案者に譲歩いただく格好になったものの、当日の台本には(既存の制度が)「十分に」整備されていることから新たな制度の創設は...云々とあった。おい、既存の制度では物足りぬとの相手の意図を斟酌せずに鬼の首を獲ったが如くの表現は厳に慎むべしで、当事者にヘンな意図は無かったんだろうけど、副詞一つが命取りになりかねず。何よりも手前味噌っぽく見えてしまうもんだからなどと勝手に割愛させていただいた。「一応」台本にも目は通しておりますゆえ。
さて、知人が仕掛け人の一人なんだけど、自転車のトークイベントが好評と聞いた。その一因は「弱虫ペダル」(渡辺航原作)なる漫画だそうで、アニ研ことアニメ研究会の復活を目指すアニメオタクの主人公が部員の獲得を賭けて自転車競技の勝負を挑む。アニオタと自転車?そう、アキバに通う移動手段はママチャリ。数十キロの道程を苦もなく毎日往復すれば自然と磨かれる筋力。オタクの執着恐るべし、と、まぁその乖離が何とも魅力のスポ根モノにて没頭しとるのだけど...。
ということで本題。アニ研に限らぬ部活動の危機。当時は当然とされた部活動も昨今は希望者の減少以上に顧問の成り手が見つからぬとか。確かに対外試合の遠征に土日早朝の練習とあっては休みも取れぬ。学校が関与するとなれば顧問は必須、名ばかりといえども万が一の際には責任を問われかねず。昨今などはとりわけその風潮が顕著にて、ならばハナから関与せぬほうが利口という理由は分からんでもなく。そもそも学習指導要領には自主的な活動とされてるのだから関与せぬとの選択肢もアリなんだろうけど、やはり「部活」ってのは特別な響きがある訳で問われる学校の姿勢。
が、本市など輪をかけて地域教育会議なる仕組みがあって、それは「全国初」と高らかに謳い上げられているんだけど、学校教育と社会教育の連携を狙った住民参画組織だとか。保護者と学校の信頼なくして教育は成り立たず、その理念こそ賞賛されるべきものなれど、こと近年などはやはり部活動が如く学校側の消極的な姿勢が目立つのだとか。で、相手の言い分に含まれるのが教員の更なる負担は「働き方改革」に逆行すると。
部活動はあくまでも任意ながらもこちらなどは市が積極的に勧奨する施策の一つのはず。同じ指揮官の下にあって方や旗振れど他方は及び腰では混乱する現場に募る不満と不信感。少なくとも子供達の為に無償奉仕で尽くそうとする保護者の意欲は削がぬよう、学校現場と教育委員会の本気度が試されている。
(平成30年5月20日/2430回)