四割

手が滑った訳でも衝撃を受けた訳でもないのに突然の故障。うんともすんとも言わず...おい、反応しろよ。契約期間内にて「無償」対応。そこまでは是とするも現物交換にて代替品などあるはずもなく、一週間も取り上げられたのではかなわん。安からぬ利用料を払ってとるのだからそんな冷酷な仕打ちがあるかっと憤慨してみても「そうなっておりますゆえ」などと真顔で言われると反論に困り。
他社製に移行しようにもアドレス変更の手間に手続きが煩雑とあっては重い腰上がらず。いっそ新品に機種変したほうがスグに利用出来ますし、契約期間内にて違約金というか分割払いの端末代の一部が上乗せになりますが、それも来月以降の分割になりますので月々の支払金額は...。巧妙に手を施された料金体系と端末の故障は会社の陰謀ではないのかと思えんでもなく。
方や、使い続けて五年間、「寿命です」と店員。紛失した相手の連絡先など必要とあらば向こうから来るはず、と悠長にその程度の利用しかないのだけれども示された料金プラン。そこに限らず後払いの概念知らぬ妻、月々の請求は利用料だけで結構と提示された前払い代金は十万円。バカらしいと二つ折り機種、いわゆるガラケーにしたと聞いた。
寡占に風穴を開けるとの狼煙も参入実現すれば寄らば大樹の陰と結ばれる秘密協定。民間企業の利益に手を突っ込むのは越権行為と言われても電波は国民の財産。時の官房長官よくぞ言及された。従来の経済学に成り立つ均衡、されどそこに「情報」が絡んだとすれば...。情報の非対称性なる概念を持ち込んだのはノーベル経済学賞のスティグリッツ博士。両者の知識格差をいいことに好き勝手やられたのではかなわん。
難治がんを標的化し駆逐出来るナノマシンにアルツハイマー病等の脳神経疾患の革新的治療技術など垂涎の言葉が並ぶ。市がハコを用意して研究者を呼び込み、その集積から夢の発明へ...と描かれる壮大な構想。既に国の研究資金が投入されているのだけれども、それだけでは折角の有望な研究も他に後れを取ってしまう、更なる追加投資があれば世間を唸らせる発明が本市から、と注目される臨海部。
わざわざカタカナにせんでもよかろうにと思わんでもないのだけれども「アンダー・ザ・ルーフ」、日本語に訳せば「一つ屋根の下」がキーワードになるのだそうで示されるハコの入居率。一定の収益を得る為には投資が必要、されどそこには不確実性、いわゆるリスクが付きまとうってのは常識なんだけど、そんな理屈が通らぬというか慎重なあちらの面々から当然の物言いが付いた。
じっと耳を立てて聞き入るAセンセイがつぶやいた。それだけのモノであれば向こうから群がる訳で将来性あれば公の補助金に依存せずとも投資会社が参入して...。入らぬってことはその狼煙は眉唾?ではないのだろうけどそのへんが見えぬもどかしさ。まぁ彼らは最小のリスクで最大の利益を狙う狡猾なヤツらだからその隙を狙っとるんだろうけど、そこが見えれば本市だって...税金です、ハイ。
(平成30年9月5日/2451回)