厚底

歴代最多の輩出、比類なき保守王国とあらば道路に鉄道、のみならずそちらだって...。
用意されし昼食会場は庁舎上階の展望レストラン。遠目に連なる連峰、眼下に家々見下ろす日々を過ごせばいつしか...。他山の石とすべく隣のI議長と目を合わせた。県庁所在地を通らぬ新幹線、隣合わせなのだからいっそ合併でもして政令市として...。それは障らぬに限ると教わった。全国大会を前に開催された事前協議の舞台は前橋市。市域の面積に有する人口が議長の資質を左右するもんでもなく隠れた適任者はいるはずも政令市というだけで相談役なるエラそうな役を仰せつかっていて。
全国「一千」を超える議長殿の集合体とあらば裏方の見えぬ苦労やいかばかりか。後日、都内で催された大会、正式には全国市議会議長会評議員会では議案のみならず「地方自治の課題」と題した講演に台風被害を受けて河川の浚渫時における国の支援や従来の非常勤職員の処遇改善に向けた会計年度任用職員の扱い等々を学んだ。当日の講師が事務次官殿とあらば相手に不足なく。あとは財政力指数が一を割り込むや否や億単位の交付税がゼロになるは制度的欠陥、理不尽にて逓減扱いにすべき、と直訴が脳裏よぎるも見渡さば不交付団体など本市位なもので。
在京ならばまだしも地方からの上京とあらばおいそれと帰す訳にも参らぬし、帰るほうとて来てしまった以上はそうやすやすとは帰れるもんでもなく。長丁場ゆえ休憩が挟まれるのだけれども長旅の疲れを癒すが如く瞑想というか物思いに耽る議長もおればここぞとばかりに精力的な外交を展開する御仁もおられる訳でちょっとした交流の機会になるのだけれども最近は流行からか雑談時にそちらの話題も少なくなく。
水を向ければ議長自らの裁量にて「特別枠」を用意するなどと粋な申出を受諾して交渉成立となるも後日にはキチンと秘書宛に届く振込用紙。両市の交流を深めるべく...そりゃ御自分で後始末を、と事務局。それでは何ら一般の申込と変わらんではないか、いや、それとて相手の議長の顔が立つというか地位向上に一役買えるならば。ということで久々に「フル」を走ることになった。
通勤時に見かけるランナーにやはり多摩川こそ本拠地にしたいのだけれども肝心のランステなく。敵情視察を兼ねて荒川を走れば河川敷の利用に学ぶこと少なくなく、川に並行して走る首都高に鉄道は土地の有効利用の観点から理に適っていたりもする訳でいづれ多摩川も、などと将来構想を描きつつ。そもそも流行に無頓着な性分にて相手を観察するに無関心なれどさすがにあれだけ報道されれば目が向く「桃色」。
この正月の箱根路にて席巻、記録続出の話題を呼んだ噂の一品。少なくとも数年前までは記録狙う上級者向けには軽量化を追求した「薄」底が推奨されてきたはずも従来の常識を覆す商品が登場。こちとら記録狙わずと怪我だけには注意怠らず、中でも膝の故障は致命的にていかにそちらへの衝撃を減らすか、かねてよりその緩衝材の重要性は知り得ていたのだけれども何も厚底ならずと「のんびり」走れば膝への負担少なく。フル完走と聞かばさぞ過酷な稽古を連想されるもそこさえ意識出来れば誰だって...。ほんとの話。
(令和2年2月10日/2552回)