猫背

「父兄」の名を冠した団体にあって会長職が女性とあらばその実力のほどは言わずもがな。ともに来賓としてともに招かれし会場の階下にて遭遇。日頃の御礼を述べつつ、並んで、というか、半歩下がって訪ねる受付。入口に出迎えをうけての会長の一言や、「今日は同伴出勤だから」。意表突いた一言に凍てつく周囲。そ、それは知る人ぞ知る夜の業界用語にあるまいか。不覚にも場を取り繕うに数秒を要してしまった。

十五の春。高校入試も県立高の合否を残してほぼ全日程を終えたと聞いた。校門前に貼り出される受験番号など昔の話。自宅にて画面に受験番号と与えられたパスワードを入力して表示される合否。ともすると残酷に見えなくもないが、やはり、あの悲喜が交錯する人混みの中にこそ人としての成長がありそうなもんだけど。

塾なんぞに通わせる位だから一つでも偏差値が上の、とは本人の欲か親の意向か。背伸びするに受皿を用意せねばならぬ、と妻に手渡される振込用紙や併願校の入学金。それはあくまでも手付金、他に浮気した際の反則金ということなのだろうけど安からぬ出費。が、それ以外に誓約書を要求されることもあるとか。神父の前の誓いとて反故にされる時代に。

さて、どこぞの合否が如くボタン一つで画面に表示される形なき予算書など。んな小さき画面に夢中になるは功ばかりにあらず。昨今、子供の視力の低下が顕著なれど発育の過程にて弱視や斜視の兆候が掴めればその後に手立てを講じられると。昨夏に市眼科医会の要望を受けて会派として市に迫ってきたのだけれども来年度から三歳児健診において「新た」に屈折検査が盛り込まれる、と見かけた。が、視力以上に懸念されるは。

ソレを理由に空けられる隣との間隔に席が足りぬと一人だけ傍聴席が如く委員会をじっと聞き入っとるのだけれども後方とあらば全体を俯瞰して観察するに最適。画面に集中するあまり首が前に出て背が丸く、その姿勢を継続するに。まぁヤツらなんぞは老いゆく身にて心配はせぬが、成長過程の子供たちとならば話は別。

何も勉強だけが能にあらず。久々にウルトラマラソンへの出走を予定しており。練習に余念なくもラン仲間の投稿に膝の故障と見かけた。投稿主のHさんは私より上級者なれど年齢は然して変わらぬ。フルへの出場を前に三十キロ走をこなし続けて。靭帯損傷とか半月板の断裂との物騒な診断結果に竹脇まりなさんの筋トレに没頭する日々とか。

膝の故障こそ致命的。膝の負担を減らすに体重減らす。体重減らすに運動量を増やさねばならず。運動量を増やさんとするに膝への負担が、と。負担を減らさんと選ばれる厚底も着地の感触に狂いかねぬ姿勢。やはり、素足で地面を掴む感覚こそ。靴底の摩耗に見る身体の歪みと足の癖を矯正しつつ。膝の負担を巡る循環問題は数学の難問以上に。

健康にはくれぐれも御注意を。

(令和4年2月25日/2696回)