駐禁

高齢の母を送迎せんとするに手間取って車に貼られた「駐禁」。ほんの数分、それも御自宅前とあって憤懣やるかたなき様子。いや、ほんの数分などと申しても、実際は数十分であること往々。小さな綻び見逃さばいづれ、との言い分は分からんでもないのだけれども割に合わぬ反則金を課される以上はイエローカードがあって然るべきで、さすがに一発退場は。まぁ試合にもレッドカードなんてのもあるからナ。

都市部に見る在宅介護の需要。特別な許可証の発行権限を有するはあちらにて。見て見ぬフリとはいわぬが、もっと汗をかくべし、とAセンセイの質疑に聞いた。なかなかいい質問をしとるじゃないか。私より期数は上?ならば当然か。世にその位は大目に、との事例は少なからず。

見渡せば目立つ遊休農地に違反転用。その一角に瀟洒なパティスリーなど御当地の魅力向上に大いに貢献しているようにしか見えぬ。準備万全、あとは開店を待つばかり。そんな折、突如現れたイカツイ面々。どこぞの用心棒がみかじめ料でもせしめに。どう見ても役人には見えなんだ、と店主。

これのどこが農業用倉庫なんだ、と難癖、いや、実際に書類上はそうなっていたのだそうで。すぐに申請し直して。いや、解体後の申請しか受け付けぬ、と市側。ちゃんと非は認めとるし、是正勧告に従わねばならぬ、と知るも、完成形のモノは同じなのだから何もそこまで、と宥めれど。たとえ市議の口利きがあろうともまかりならん、と寸分譲らぬ相手。

ならば、他の違反転用とて時効とは言わせぬ、同様に是正命じて然るべき。隣が許されるなら自らも、ってのは勝手な理屈と知りつつも。些か誇張が過ぎたが、そんなすったもんだがあって。そう、土地利用に厳しい制限が課せられた農業振興地域の話。当初からキチンと申請しておれば、とは役所の言い分なれど、他市との間に差異が生じる認可基準。なぜか。

その存在を知るは地元の陳情、私道といえど既に公道のようなもの。市に寄付を申し出るに拒まれる理由や「要綱」に含まれぬ、と。そりゃたまたま土地の形状がそうなっとるだけで多くの方が半ば公道として利用しとることに変わりなく。階段を認めぬ理由やどこに、と詰問すれば、過去に前例がない。

んな、アホな話があるか、と改正「させた」。もう十年以上も前の話ですが。そう、制度の大枠を定めた条例こそ議決の対象となれど、施行時の細則となる要綱は役人が勝手に定めるゆえ知らぬ間に、ということ少なからず。

ならば、今回はどうか。明文化された基準なくも、そこは他市と同じと認識している、との答弁。そりゃ勝手な思い込みで、明文化されていないということは勝手な解釈が成り立つということではあるまいか、と迫れば、社会情勢等により変化する中にあって弾力的な運用を図る為に「あえて」明文化しておらぬ、と局長。

確かに、中にはがんじがらめにせぬほうが好都合な時もあるから、そこはよしなに。まぁそのへんは相手も分かっているはずなのだけれども、今回ばかりは他への示しがつかぬということらしく。くれぐれも権限を勘違いせぬよう、と質疑を終えた。

(令和4年3月15日/2699回)