職長

ろくな働きもせぬくせに、そういうところだけは目端が利いて。長丁場の選挙戦の疲れ癒すに向かう目的地。男子総合91位/198人、部門別27位/68人にて完走を遂げた。

部門別とは年齢別。40代と申しても限りなく50に近く。若いもんなんぞに負けてたまるか、などというくだらん意地の賜物だったりもして。志賀高原マウントトレイル40km。

平地ならばしばし歩くことで体力の回復を図りつつ、距離を稼ぐことも可能なれど、「上り」とあらば前に出ぬ足。もうこれ以上は一歩も動けぬ、んな状態で聞こえてくる音。夏山に注意すべきは天気の急変、カミナリと聞けどそれに勝る恐怖。

あくまでも威嚇に過ぎず、反撃せぬ限りは襲われぬと知るも恐怖心を呼び起こすはヒトの遺伝子に埋め込まれたものだったりもして。動けぬはずも一目散に逃げるに残る体力。そう、スズメバチ。

ならば「下り」はどうか。「なだらか」とは程遠き急斜面にて速度抑えるに大腿四頭筋、いわゆる太ももの筋肉の疲労著しく、遠目には美しき山々も足下は岩や砂利だらけ、膝に足首と関節も悲鳴を上げて。どこに疲れが癒されるのだろうか、と。閑話休題。

本人の名誉の為に申し上げれば、憤慨の理由や初期不良か否かにあらず。契約時にはあれほど低姿勢だった対応が一変、初心者の客が心底困っとるというに他人事のようなそっけない対応はないだろうということらしく。

とすると、こちらもハナから不公平で理不尽なものとの先入観あれば。人事を巡る不満や今に始まったものになく。矢面に立つほうとて「公平」などとヘンな概念をかざさば相手を逆なでするようなもの。とはいえ、不公平で何が悪い、などと面と向かって言えるはずもなく。

役所の中でも現業職、いわゆるガテン系の職種に閉ざされし昇進の機会。それを補うべくあてがわれた役職への不満が絶えず。そこへのやっかみや嫉妬心の類も否定はせぬ。が、それだけ選考の過程が不透明、恣意的な人事ということであって。

仮にそこは譲歩して昇進までの人選には目を瞑るにしてみても腑に落ちぬはその後の扱い。不祥事とて不問、降格されぬ不思議。こちとら口頭注意どころか減給云々、悲願とされた昇進の道が閉ざされる以上は向こうとて降格あって然るべき、それこそが公平な人事というものにあるまいか、との言い分はもっとも。

また、そんな奴に限ってその永住権というか特権的な待遇を鼻にかけてみたりもするもので、増幅されるは周囲の鬱憤。上に覚えがめでたくも下からの評価は真逆なんて評判も耳にすること少なからず。媚びても結構、贔屓も結構、ただ、就いた以上は立場を弁えた言動を心がけておらば余計な波風など立たぬはずで。そこに気付かぬとは何とも惜しく。と同時に起用した側の管理職としての資質を問うてみたくもなり。

役職を廃止せよ、とは言わぬ。が、時に降格もあり得る、と匂わせておかねば本人の怠慢を招くばかりか、他に示しがつかんではないか。

(令和4年7月15日/2722回)