宿題
会場に向かわんと並んで歩く少年や私に劣らぬ日焼け顔。そちらの成果は十二分に分かった。が、忘れてならぬは。「宿題、終わったか」。「はい」との元気な声にツッコミ入れるは後ろの父親。「うそつけ」。試合前の水をさす一言を悔いつつ、開会式を終えた。がんばれよ。
途中の路上に見かけるは破損したガードレール。道路拡幅用、本来ならば使えるはずの用地を囲うものにて、ただでさえ目障りなのに、体を成していないとあらば尚更か。んなものを野ざらしにしといては批判がこちらに向きかねぬ。何とかせい、と指示するにも、原状回復なくば更なる事故を招きかねず、撤去だけとは。
が、何よりもそれは当事者が負担すべきものであって。いや、向こうとて、どうせ市が、と逃げ得を狙いし確信犯。カーブミラーや標識等の道路構造物への当て逃げが目立つ。それもガードレールなどは破損というよりも大破に近く、あそこまで「派手」にしでかした以上は相手とて無傷ではおれまい、と別な心配をしてみたり。修復に要する費用に犯人の検挙率、弁償の状況等々。迫る決算審査の好材料か。
常任委員会にて「防犯カメラの戦略的な整備について」と題した報告を受けた。年度内に補正予算の計上を、と聞いて否めぬ唐突感。いや、ちゃんと市長の所信表明に含まれて「いた」と聞いて会議録を読みなおさば確かに。ならば当初の予算に。いや、肝心なのは「戦略的」なる修辞句を入れてまで実現を図らんとするその中身であって、示される三本の柱。
まずは何かと物騒な「駅周辺を重点地区」に、「県警との密な連携」を図り、と、そのへんまでは頷けるのだけれども三つ目に「積極的な情報発信」とあって。この手の施策の推進につきまとうは、プライバシーか公益性か。知らず撮られる通行人のプライバシーやいかに、とは想定内。どこぞの質疑を聞いておれば、カメラに表示板を付けるべし、それも「目立つ」ものでなければならぬ。そればかりか位置を広く一般に周知すべき云々、と止まぬ追及。
盗撮などは言語道断、逆に伏せたままでは抑止力が期待できぬ。あのへんに「ある」もしくは「あるらしい」というのは広く周知されて然るべきも「ここにあります」などと宣言するは手の内を犯人に明かすようなもの。あくまでも「ないよりはマシ」という話であって、もはや「防犯」というよりも「幇助」と言われても。市のガイドラインに準拠して、と申しておるのだから何もそれ以上。
狙われとると思うは胸に秘めたるものがあるからであって、常識的な行動は何ら咎められるものなく。むしろ、公に晒されて赤面するに恥ずべき行為をした自らの非を責めるべき。当初は市と折半とされた県の補助上限が減額、撤退の意向とか。利用者に転嫁できぬと肩代わりする市側に募る鬱憤。財政難等が表向きの理由とされるも意外と本音は別なところにあったりもして。
(令和4年8月25日/2730回)
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