左隣

右が上なら左は。右は書いた、左の話。でもその前に。

手にするクラブは人それぞれ。打数を争う競技である以上は。ショットの八割はピンから130ヤード以内、スコアの半数はグリーン上で打たれる、とは先人の言。1メートルとて一打は一打。パットに見る喜怒哀楽。

猛追する新人に二打差で迎えた最終ホール。緊張感みなぎる中に運命のパットを沈めて天を見上げる目には。「人間は愚かしい生き物だから、ものを高く打ち上げようと思うとあごが上がってしまう。空を見上げるのは涙がこぼれそうなときだけでいいことをゴルファーは学ぶべき」とあるエッセイに。長かった冬に堪え切れぬ涙を見るは国内女子ツアー。やはりマスクはないほうがいい。

市議といえども多様な人種が存在する訳。相性が左右する世界、今回はメンバーに恵まれて、とゴルフの優勝者じみたコメント寄せるは市の幹部。無所属のT君など、私と同じ委員会の年は平穏、と公言されており。混乱の元凶というか、その人物が在籍するというだけで不思議と歯車が狂うらしく。甘すぎず、嫌われず。そのへんのバランスが。

類似の改正多き中にあって、一件毎に打診される補足と質問の有無。役人側などは「なし」、というか「ございません」。対する市議側とて「なし」で結構。なれど即答、それも右隣から発せられては。事前に十分な機会はあったはず、一考の余地なし、とのことらしくも、「断じて」ないとも限らぬ。んな形で機先を制されては下が発言しにくくはあるまいか、ほんの数秒、いや、一呼吸でも、と苦言を呈し。相手が誰であっても言わねばならぬことは。

終了後に主な発言等が摘録として議長の元に。そこに記されるは私の氏名。運営に物言いをつけたが如く読み取れる文面に議長殿からの詰問あり。非公式の事情聴取に応じる羽目に。ある日の委員会、途中に脇腹を小突くは右ならぬ左。うなだれる姿勢への忠告かと姿勢正さば、向こう岸の質問が規則に反すると。

んなもん知るか、議員に徳目を求めるは八百屋に魚を求めるようなもの、と過去に誰かが。発言に制約を課すなど。ましてやOセンセイとあらば大目に見る位の度量なくてどうする、と見て見ぬフリを決め込めど、すごすごと退くS君になく。席立ちて委員長の耳元に。

議事の進行中で些か困惑気味の委員長。こんどは右隣に「うろちょろするな」と一喝されて自席に戻れども憤懣やるかたなき様子にちゃぶ台をひっくり返されては。「わかった、このまま見逃しはせぬ。今は静かに」と宥めに宥め。それが違反であることは本人以外の衆目が一致するところなれど、相手を信じれば故意とは限らず、会議録に残る以上、名指しは酷。

「仮に」そんな発言があったとすれば委員長より当事者に厳重注意を、と発言して。相手の発言にケチ付けるは何とも損な役回りも、後日、ちゃんと当人が詫びに来て下さり。い、いや、あれはあくまでも左隣が。関係はこじれぬに限る。

(令和4年11月5日/2744回)