駿府

まちづくり委員会に寄せられる陳情にはいわゆる「地元」に関するものも少なくなく。自らの選挙区とあらば鼻息荒くも他区とあらば。んな性根は不思議と相手に伝わるもので。たとえ区外であろうとも。親切心に国境なし、か。

急須から注がれし茶が運ばれるは今や昔、ペットボトルが常識、いや、それすらも各自の持参、どころか、委員会の中継に銘柄が映るは特定の製造元を利しかねぬゆえラベルを剥がせ、なんて、バカも休み休み。にせよやはり煎れた茶は市販に勝る。机上の資料に目を通しつつ、無造作に手を伸ばして口に運びし味は明らかに他とは違い。役所にて出されし一杯に見る王国の誇り。

桶狭間なくばこの地が首都になっていたやもしれぬ。来訪の際は立ち寄ってくれ、との言葉信じて訪れるは議会棟の控室。ともに隠居の身、尚且つ、親に近き年齢とあらばさぞ退屈な日々を、とは幻想。昼とて絶えぬ役人の列。退任後は会派の団長役を仰せつかっとるそうで。

んな中にあっても有言実行、客人のもてなし忘れず、隠れ家にて贅沢なランチを馳走になった。何よりもそこに費やされた時間こそ宝。別れ際、次回は本市にて旨いもんを、と申しても天然の幸に恵まれた駿府に勝るものなど。おぉ、そうそう、とびきりの「うなぎ」を、との申出に高笑いの元議長、「海にはおらぬぞ」と。おぬし本市をバカにしたな。

あれはどうした、これはどうか、と役人を追い回すは日常なれど、向こうから来たと思わば「完走ならず」と。そりゃ別な報告にあるまいか。体力自慢の消防局、いや、他局とて更に上がいるやもしれぬ。が、庁内広しといえども我「々」に勝る豪のものはおるまい、と勝手に。三傑、ならぬ三バカの一人、N係長。

過去にフルの完走歴ありてあのどこまでも続く海と空は忘れがたく。百キロにどうか、との誘いに後ろ髪を惹かれつつ辞退したのが年末。宮古島ワイドーマラソン。N係長は八十キロ、課長は六十キロにて撃沈を遂げたそうで。んな不甲斐ない部員を横目に次は主将の出番、と。目下、スポーツ用品店の物色に余念なく。

ウエアは兎も角もシューズのデザイン性などとうの昔に捨てており、たとえカッコ悪くとも完走が可能と思しき一足を追い求めて。シューズに求める機能も走り方の癖も人それぞれ。そのメーカーが万人に合うとは限らぬ。履きなれた今の一足とて十分と知るも欲は底なし。

依然と主流は厚底なれど、着地時における衝撃の吸収性に優れ、蹴りだす反発は強い、そんな虫のいい一足など。試行錯誤の中にこそ思わぬ収穫を得たり、適応力が磨かれたりと。ここ最近は海外メーカーのシューズを愛用しとるのだけど、久々に試着した国産メーカーの一足などは宙に浮くが如く。

飛距離が伸びぬ原因は年齢、と知れど。クラブ性能の向上著しきゴルフ界にあって、飛距離は金銭で買うべし、とばかりに年配者が夢中とか。狙った方向にすら飛ばぬというに距離だけ伸びては林の中に入る確率が。それは私の話。まずは一足から。

(令和5年2月5日/2762回)