組長

ひときわ目立つその風貌に付いた異名や「組長」。本市の御出身だそうで、凱旋公演とあらば。連休中のアルテリッカにドヴォルザークの「新世界」を聴いた。演奏後の拍手にも表情一つ変えず颯爽と幕裏に退かんとして。そんな聴衆に媚びぬ姿勢が。

四月の異動にK君が昇進を果たしたとか。当時、副議長の運転手をしておられ。運転の技術に服装は関係ない、かもしれぬ。が、高い規範意識を求められる職場にあって常に白手袋と磨き上げられた靴を履きこなし、いつも元気に挨拶を交わしてくれる姿勢やまさに「模範」と散々説いたつもりなれど、馬耳東風の前席。ほれ見よ、私の目に狂いは無かったではないか。身なり整わば仕事とて。

改選後の初登庁は徽章の付与のみならず、新学期に欠かせぬは身体測定。採寸が予定されており。冬などは各自が上着を着用するに統一感なく、「公式」の防寒具を、というのが発端、だったはず。ならばいっそ防災服そのものも、ということで新調するとか。

市の幹部に支給される防災服を見れば裏に「川崎市」の大きな文字。一方の市議側は胸に小さな刺繍入り。それでは地味で目立たぬ。他との合同訓練において見劣りしかねぬばかりか、いざ、選挙区内の現場に駆け付けた際なんぞも宣伝の効果が薄くはあるまいか、などという身勝手な都合も見えたりもして。

そもそもに慣れぬ現場を右往左往されては甚だ迷惑。何も好んで最前線に立たずと後方支援に徹しておれば「制服」など。かえって目立たぬが好都合にあるまいか。支給にあらず、あくまでも「貸与」とされども他人様の「おさがり」なんぞは。他への転用が効かぬ特注品とあらば値段とて。ならば、いっそ。

新庁舎の完成に合わせて全庁的な制服の見直しを。いかに店構えが立派でも店員の対応が粗末であったり着衣に清潔感なくばせっかくの料理も。とりわけ本市への来客がまずは目にする受付や守衛の制服に不都合はないか。何よりも清潔感、デザインに機能性。ブランド品とはいわぬまでも。そして、支給。よもや「おさがり」なんぞあるまいと思うけど。管理職たるものそこに目を光らせてこそ。

いや、下手に行革の俎上になんぞ上げてしまうと削減しか頭にない連中ゆえ、もそっと柔軟かつ大胆な発想が出来る、つまりは私のようなものを座長に、制服向上委員会でも。

庁舎周辺に目立つは緑の作業着。遠目にも一目瞭然。連帯感を培うに一役買うばかりか、動きやすき体操着のようなもの。頻度で見れば防災服よりもよほど重宝しそうであり。支給なくば貸与、いや、自腹でも、とせがんでみれど、あれこそが「健全な」市の職員の証とばかりに。

同じ市の為に尽くしとるのだから、そんなに毛嫌いせずと。

(令和5年5月10日/2780回)