告白

目に泪するは魚のみにあらず。役人の逸脱を市議が咎める構図にあって、市議の暴走を役人が窘める異例の内容に。質疑聞くあの局長の目は涙、と芭蕉翁を真似て一句。季語が無かったナ。

身を切る改革、と申しても、切るは自らならぬ相手の身。独善的な言い分と知れども反論の余地なく、陰鬱な雰囲気の部屋中にあってそこだけが放つ異彩。そう、質問日の前日の話。

延長が生む財政負担に採用枠の損失と煽られる世代間の対立に会社の重荷が如く虐げられる状況は看過できぬ、と上げる気炎。課長とあらばまさに適齢期。あと数年の辛抱むなしく迫られる踏み絵は我が胸中、と聞くに。

不当な要求には断じて屈してはならぬ。世論を敵に回しても諸君らの為に不退転の決意で臨む覚悟だ、私の名を前面にI副市長へ譲歩を迫れ、と背中を押して迎えた当日。

「退職手当は退職後の生活を保障するものとして退職の事実に基づき支給されるもの」。つまりは、前払いなど趣旨を逸脱するもので断じて認めぬ、といわんばかりの答弁に、翻意を、と迫れるはずもなく。何が不退転だ、この役立たず。いや、彼らとて税で禄を食んどる以上、多少なりとも負い目があって、そこに岩盤を崩せるとは。

そう、惚れた相手や高嶺の花、叶わぬ恋と知りつつも「もしかしたら」の一縷の望みに告白すべきか否か。当人の心境を代弁するに気が晴れたというか。あちらとて誘惑に惑わされずに矜持というか役人としての範を示し、こちらとてモノ言えぬ職員の代弁者を演じることで叶わぬ恋に終止符を打てたのだから。

そう、昨今なんぞは、あれはダメ、これはダメとさながら親に制限された子が如く。委縮が過ぎて、慎重というよりも余計なことはやらぬに限る、と何かにつけて並ぶは出来ぬ理由ばかり。失敗なくして成長なし。閉塞感に覆われた中にいい仕事など。

入り組んだ境界は私道のみならず。広大な運動公園を分断するフェンス、左右異なる公園名称に見る両市の関係。何年かぶりに両市隔てたフェンスが撤去されるとか。そう、さすがにフェンスこそあらねどもその公園内にも市境ありて、こちらや公園の名称は同一なれど、それでも生じる役所間の壁。

草木の手入れ含む公園の管理をボランティアに委ねる本市に対して、隣市側や業者への委託。草刈るに露骨に浮かび上がる境界。その差が歴然と利用者に見えてしまうのだそうで。もそっと両者で協議の上、善処を、と。その位のことならば躊躇わずに告白出来るでしょうに。

(令和5年7月10日/2792回)