石鹸

白状すれば、と口を割った途端に。

相手はズルい、というのが時代劇、歴史に学ぶ教訓。身の安全は保証する、などと申してもおよそ特定されるのがオチ。不正を明らかに、といえば聞こえはいいけど、必ずしも正義感の発露とは限らず、疎外されがちな職場へのあてつけだったりもして。内部通報制度の件数が伸びぬとか。村社会にあって連帯感が勝った結果、というか、そのものが少なかった、と信じており。

3Dといえば立体。ならぬ、「だれもが」「どこでも」「できることから」の頭文字。わが社の経営方針とされ。本来ならば仕事帰りに一杯となるべきも、場所と時間の制約を受けぬ職場の交流。「招待」なる言葉の響きに抱く優越感。ネット上のコミュニティにお誘いをいただき。各種イベントや旬な話題など。これがなかなか。

依存症とはよく申したもので、勤務中の集中力を削ぎかねず。服務規律の遵守が求められる職場にあって、一人せっせと自慢話を吹聴しており。んな時はおよそ泥酔後。不都合な投稿を消さんとすれども消せぬは履歴。匿名制が隠れ蓑とされど私など匿名が匿名になく。口が過ぎて身柄を売り渡されぬことを。

会派の代表質問を終えた。中でも臨海部の高炉休止に伴う広大な土地利用。東京都を含む近隣の自治体や国を巻き込んで、往年の夢よもう一度、と。そんな水素社会への転換に徹底抗戦を見せるはあの会派。発電だけ見ればクリーンかもしれぬ、が、その製造過程に目を向ければ、と理論的に。

「温暖化」「脱炭素」と昨今なんぞ猫も杓子も。それこそが「正しい」姿と言わんばかりの論調に抱く違和感。それが間違っとるとは言わぬまでも、あまりにも急進的すぎはせぬか。そもそもにドーム何個分の山林を伐採して並べたパネルが「優しい」はずはあるまいし、そこに削減される排出量が何万トンなどといわれても実感がわかぬ。そこに学術的な理屈が付されども、乗数が働くに変数一つで結果は自在なことは多少の数学的な知識あれば。むしろ廃油から石鹸のほうが目に見えて。

車の燃料とて欧米では少し前まではあれほど軽油が推進されてきたはずで、それが一転。課せられる厳しい排出基準、というかゼロでなければ認めぬ、とはさすがに。資源乏しきわが国にあって進歩を遂げた省エネ技術に効率性。

既にそれだけの性能を実現しとるばかりか、更なる高みを目指すと技術者が研究開発に励んでおる以上は、そこ「も」後押しすべきであって、土俵を変えんとするは世界に冠たる技術を確立するに嫉妬を抱きし国の陰謀、だったりはせぬか、なんて。

省益あって国益なし、と聞けど、国際舞台などもっとしたたか。国益あっても。国際ルールといえば聞こえはいいが、欧米の価値観が正しいとは限らぬばかりか、当事国の利害絡むこととて。そこに翻弄されては自らの国益を失いかねず。資源乏しきわが国にあって輸入の依存度を減らすことこそ。とするに品目が変われど富の流出は。そのへんが見えぬ。

(令和5年9月20日/2806回)