往年
ゴルフをこよなく愛する地元の中堅二人による企画。一世を風靡した往年の名手を招いて教えを請おう、が進行中。前回のゲストはおらがセンセイだそうで。
そこに異論こそないものの、既に数回を数える中にあって、彼を置いて他にあるまい、と思しき御仁に未だ登場歴なく。それだけの実績を有するに他の後塵を拝するは不本意にあるまいか、と当人に問わば。往年が意味するは過去、我未だ現役也、と。
年下には負けぬ、と豪語するは勝手なれど、老化は生態系の宿命にて忘れてならぬ自らの年齢。かつては片道二時間、伊豆のホームコースに、しかも一人で通い詰める日々に、何がそこまで、と半ばあきれ顔の奥方。おらがセンセイも既に齢八十半ば、「往年」に括られどもエイジシュートの常連にてスコアとて年下を上回り。とすると、こちらも現役。
そもそもにまずはその年齢まで生きながらえねばならぬ。ばかりか、全18ホールを歩いて回る体力に自らの年齢85打以下でホールアウトする技量も兼ね備えねばならず。未だ連投とて厭わぬ体力の源泉やいかに。
申出なくば無条件に前年同様。昨年を振り返るにその目標とて決して軽からず、「そのまま」とて。されど、やはり自動更新では何とも寂しく。たとえ昨年と全く同じといえども参戦する以上はちゃんと申告を、と良心を示したつもりが。
少なくはあるまいか、と幹事役のY兄。月間250kmですぞ。各自の目標が貼り出される中にあって、どことなく見劣りする感が否めず、妥協こそ命取りと知りつつも月間300kmにてY兄に肩を並べ。そう、オクトバーラン。
日に100kmは論外にせよ、一気に稼ぐかコツコツ刻むか。日に10kmを走らんとするに前後を入れて所要2h。まずはその時間をいかに捻出するか、走るなら朝か夜か。
体内脂肪の燃焼効果は寝る前まで継続するとされ、朝に走るに代謝が長く続く。つまりは太りにくい。欠点いわば日中の睡魔位なもので。それとて、身体が欲しとるのだからたとえわずかでも。
夜はどうか。深夜の仕事帰りにてもうこれ以上は動けぬ。風呂すら億劫、そのまま寝込んでしまいそうだ。いや、そんな時こそ革靴から運動靴に履き替えてもう一度外に。疲れ癒さんとするに更に動くとは逆説的なれど、疲労度が高ければ高いほど睡眠時における回復効果が高く。
ゆえに休日は寝て過ごすなんてのはかえって不健康。というか不必要に寝ている時間は損失。気になる加齢臭とて老廃物が原因。日々発汗すれば。まぁ、だまされたと思って。
そう、深い睡眠こそが疲労回復の切り札と気づけども回復力は若かりし当時に比べ。そこを補うが運動後のケア。ストレッチにアイシングなど入念に施さば尚更に。そこを疎かにするがケガのもと。
おらがセンセイなど御自宅に整体師を呼んでの体調管理に余念なく。あれこそが現役の秘訣、と鮨屋の大将。日頃の生活習慣で自然と健康が維持できるのだから。足が出来あがった以上は。年末にもう一度ロングトレイルに。
(令和5年10月6日/2809回)
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