米価
参加者は年々減少、といえども未だ五十名は下らず。低学年は最後尾との並走も高学年とあらば遠慮は無用と。何年生ですか、とは沿道の悪ガキたちの冷やかし。背後に迫る背番号1を振り切って。舞台は学校裏の農業振興地域、畑に囲まれた農道。岡上小のちびっこマラソン大会を終えた。
かつて満員の球場を沸かせた大投手。ブラウン管の中にいた名選手が目の前にいる不思議。その飾らぬ人柄と豊富な話題は周囲を飽きさせず。今以て「議長」がこちらの呼び名。同区在住のはずが、最近はとんと見かけぬその姿。コロナ以降、郷里の田舎に移住。二反三畝の水田にて狙うはコメ作りの「沢村賞」。野球も一流ならばコメ作りも。久々の上京と聞いて集うは当時の仲間。
進むコメの品種改良、新たな品種が続々と。今や国産米は全て旨いというのが。一般の品とて生産者が手塩をかけて育てた品に違いなくも相手の顔と苦労が見えれば尚更。当人が挑むは星空米の天日干し、だそうで。サインボールは食えねどもコメとあらば。ましてや「新品種」「天日干し」と聞くに拒む理由なく。気になる値段とて市販価格に遜色なく。購入を申し出るに次々と。
安からぬ送料を節約すべく、それだけの商談まとまらば私自ら車で、と片道五百キロ以上の行商を厭わぬ、そのへんが冗談ならぬ本気なところが本人の魅力であり。こちとて負担額は同じであるし、流通の中抜きなく生産者が潤うのであれば。大自然あふれる中にゴルフのプレー代とて都会の比にならず、いつでも歓迎と。御当地での再会を約束して店を出た。
おさまらぬ令和の米騒動。不足、品切れと聞くに新たな需要が。生産者にとって販路探しは手間となり、作るに買い上げてくれる安心感。農機具とて安からず、大規模農家しか。そこにこそおらが農協の意義があったはずも。押し寄せる自由化の波に販路とて。価格を左右できるは流通量を握るがゆえで今や手綱は。とすると備蓄米の放出云々と申しても今後の米価や。
そう、まもなくの審査が予定される一つに給食の無償化を求める請願あり。はて、中学校給食は現市長の公約にて既に。目下、食材費のみ保護者の負担とされるは真の無償化に非ず、「完全」な無償化を何とか、と二万筆もの署名を手に。陳情と請願の違いや紹介者の有無。請願は提出時に市議の署名を必要とし。おらが会派の署名なきはつまりはそういう話にて。
利用者に自己負担を求めるべきか否か、いや、求めるにどこまで、とはプール水の賠償に限らず。無償の代償や税金。せめて食材費位は各自で、とも著しく不自然には見えぬ。さりとて、上限が決まる中に追い打ちかけるは価格の高騰。調達ままならず、問われるは良質な食材の安定供給。たかが食材費といえども重い負担となりし家庭も、そんな事情も分かった。
かたや、無償化とあらば食材費も委託費に包含され。業者側とてそこに利益を得んと悪知恵が働かぬとも限らず。食材費を倹約するあまり劣悪な給食となるは不本意。相手の言い分を全て否定せずとも何かしら酌めるところはあるもので。請願者の方々との面会を終えた。
(令和7年2月20日/2908回)
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