博士

世にゴルフに勝るものなど、否、さすがにこればかりは。相談ありて時間の都合を、と支援者から。対応は早いに限る、翌朝に伺う旨を告げるに、頼む以上はこちらから、と相手。いえいえ、出向く手間など労とは思わぬゆえ何ら御心配なく、と迎えた翌日。

請われて訪ねたにせよ、古来、門前の下馬こそ礼儀。内に車を乗り入れるなど。駐車の適地を探さんとするに不覚にも。何故にこんなところにブロックが。やはり、あの時に余計な申出など、悔いれども覆水盆に返らず。邪心なき善行にあって遭遇する不運はいづれ逆に、んな訳ないな。

与えられし兼題に一句。フェアウェイの色深めたり名草の芽、と詠んで久々の最高点をいただいた。夏と冬では芝の成長の勢いがまるで。相手を知るに酒が一番などというけれども、んなへべれけでまともな話などできるはずもなく、やはりこちらに勝るものなく。

そちらで出会いし仲間の一人に大病院の院長、いや、理事長がいて。肩書が気にならないかと言われればうそになり。こちらなんぞは近づくに憚られるも、これがどうして向こうから御指名を受けること少なからず。相手が有権者か否かで豹変するどこぞの議員に同じ、役職と肩書ほど人を狂わせるものなく。

んな立派な肩書を有するに群がる人は少なからず。露骨に接待とは名乗らぬまでも何とか近づかんとその手の勧誘も絶えぬとか。が、当人やそこに甘んじるほど未熟にあらず。何せ腕は一流、世辞というか、会話の節々に相手の肚が分かってしまうんでしょうね。むしろ赤の他人に近い貴殿のほうが。いや、本人はそう思っていないと思いますが、それでもやはり病院に居れば居たで周囲は気を遣いますし、何せ別に院長がいますから。今後とも御贔屓に、とは番頭の談。

つまりは本人不在のほうが好都合、居場所なき境遇は私と、そりゃ別か。博士号を有する身にあって理論派、真髄を極めんとの向上心や尋常ならず。オタク並みの知識は私も同じ。ゴルフバカとランバカ、交わされる白熱の議論は一冊の本が上梓できそうな勢いであり。求めずと広がりし人脈は人生のかけがえのない宝か。

閑話休題。保護者にのしかかる負担や給食の食材費の比にならず。天賦の才に恵まれども、いや、才あらずとも他人知れぬ努力が実を結び、難関校とて射程内に入れども、そこに障壁ありて断念せざるを得ぬは何とも惜しく。その為の公立、奨学金であるはずも。あくまでも雨露しのぎ、将来の返済求められるものとて少なからず。晴れて卒業が叶ったとしても負債を背負いて社会人を迎えるは。学費賄いきれぬ家庭の事情、選べぬ出自も運と言われれば。

目下、無償化が流行語の一つとか。誰でもどこでも無償とあらば公立の意義とて。全て公の負担となるにそこに便乗する私学がないとは限らず。金銭の援助は結構なれど、すべからく無償化、というのは思慮が浅すぎはせぬか。十把一絡げのほうが楽であるし、何よりも大衆へのウケが。

制限を設けるに親の所得より子の努力。自治体独自で苦学生の為の奨学金を、などと謳わば、市外に流出する彼らの為に税金を使うは、などと言われかねぬも、天下国家の為にこの川崎市から人材を輩出せんとするにそんな狭小なことで。

(令和7年3月5日/2910回)