口癖

まごうことなき私の支援者を豪語されるTさんの口癖。裏金は許してもそれだけは許せぬ。世に裏金以上に許せぬものなど。オレに内緒でゴルフに行くことだけは断じて、つまるところ、我を超えてはならぬ、ということらしく。

たかが棒振り、されど棒振り、巷に狂人少なからず。こちとて折角の相手の誘いを無碍に断るにしのびず。何も隠しだてはせぬし、聞かれれば首肯する。そこの権利を阻害せずとも。いちいち告げてられるか、ということで今日も彼にだけは見つからぬよう。

そう、世にそれだけは許せぬ、ということ少なからず。そんな話。

見知らぬ番号からの着信は間が悪く。直後に届きしメールの文面や「ご相談があります」以上。返信にて「どちらさま」などと聞けるはずなく、かけども応じぬ相手。ようやく繋がりし通話によみがえる記憶。あっ、あの時の。確か、請われて名刺の裏に携帯の番号を。

これで相手はわかった、肝心の内容やどこぞの施設の使い勝手の改善を求めんとするものであって、そこまでは結構。続くは、他の市議に頼めども埒あかず、と。願意叶えんとするに労は惜しまぬ、が、既に市が下した結論を覆す、ましてや他の市議絡みとあらば。

私が人後に落つるは一向に構わぬけれども、最初の相手が最善を尽くした結果なのだからそこを酌んであげねば。いや、それ以上に自ら信用を落とすようなもので、何とも惜しい。

相談一つに相手の性格が見てとれて。物事は何も押すばかりが是とは限らず。「御多忙の中、恐縮ですが」などと前口上あらば、「いえいえ、大して忙しくなんかは、どうせゴルフ位しか、ならば早速に」。移転後に管理職の直通が繋がらぬ課題は議会でも。

着信の相手や大事な顧客、ましてや苦情とあらば早いに限る。ゆえに着信は三コール以内に応ずべし、と新社会人の時に。今や残る履歴。内線ならば職員録に身元が判明すれども外線とあっては。こちらの個人携帯の番号など知る由もなく、見知らぬ番号とあらばさもありなん。

かつては部署内の誰かが代理として応じていたものの今や直通の時代。とりあえずはスルーというのが。されど、そもそもに公開されておらぬ直通に外線からかけてくる相手など察しがつきそうなもので。

庁内では不自由な声など聞かぬ。いや、彼らは独自のSNSというかリアルタイムのチャットあるゆえ。内にいては外が見えぬ。彼らの顧客が誰かを鑑みた際に利便性を向上させるべき相手は職員同士ならぬ外からの「市民」であって。

そんな悪評高き取組が新年度から区役所でも。初期投資4千万円、維持費3千万円。いや、現場に近きが区役所ゆえに直通の頻度や本庁の比にならず。役所にあって内部の不祥事は見逃しても電話に応じぬは。いや、逆。もとい、両方だな。

(令和7年4月10日/2917回)