探偵

ゴルフとかけて探偵と解く、その心は。御当地の出身、エディンバラ大学の医学部に学び、恩師をモデルにした作品が大ヒット。名門コースの2番ホールの横に建てられし瀟洒な邸宅は「ウインドルシャム・メナー」と呼ばれ。

既定の1番ならぬ2番ホールからのラウンドは彼に付与されし特権。満ち足りぬ3ヤードなる名文は彼の「狂」ぶりを示すに十分。文豪としての晩年をゴルフに捧げた、というよりもそれに興じるが為に若かりし日々を文筆の活動に、というのが正しい見方だったりもして。美食家ロッシーニが如く。

こう見えて推理モノにも目がなく。登場する喫茶店の名が「ポアロ」とあらば彼もまた。あのイラストに声優の声を聞かば、低学年向けとしか。いや、んな先入観は即刻に捨て去るべし、今日のアニメを軽んずるべからず、とのオタクの一言に背中を押され。

親バカながら父の隣席を拒まぬ出来た娘を伴って上映中の話題作を。最後まで飽きさせぬ展開はどこぞの本会議よりも。主人公となりし名探偵の名とて、もしや、かの文豪から。

閑話休題。忘れた頃にやってくるが。備えあれば憂いなし、と知るも備えんとするに呼び起こされる不安は際限なく。いつ来るか分からぬ相手に不安な日々を過ごす位ならばいっそ出たとこ勝負、とも言えず。

170万枚は当初の計画を大きく上回り。生きるに欠かせぬ水と食糧なれど摂取に伴いし排泄。そう、携帯トイレの備蓄数。1箱4千枚というけれども目で見るに結構な体積と重量を有し。それも未使用の状態にしてそんな状況なのだから使用後とあらば。

かさばる体積に漂う汚臭。日々の回収とて保証されたものになく。地獄絵図になりかねぬ、との予想屋は少なからず。むしろ裏山、いや、仮設トイレならば人目を気にせず、ごみの量とて大幅に軽減されるも汲み取りには違いなく、それだけの人数が使用するに。

ならばいっそ下水の管路に直接に流さば。マンホールトイレとは今に始まった話にあらねども本市にて進まぬ理由や管路の耐震化。それも幹ならぬ枝の部分、つまりは避難所となりし学校内に埋設されし管路が。

市によれば耐震化を計画通りに進めた結果、来年度内に完了。ついてはトイレ自体は来年度以降に順次、五年後には全ての避難所に、などと語られるも、隣市ではとうの昔に。「計画通り」などと言われれば、さも落ち度がなきよう傍目には。

一般的に本管から派生する支管の敷設及び維持管理は土地の所有者の責任とされるに。まずは学校、災害トイレの確保を命題とする危機管理、そして、下水と部門がまたがるに難を有した側面はありはせぬか。

備蓄数の過不足を論ずるに咎めはせぬ。が、そもそもにこれだけの人口を抱える都市部にあって、それだけの規模の災害が生じたならば足りぬは明らか。留まるよりも疎開というか遠くに逃げたほうが賢い選択だったりせぬか、なんて。

(令和7年5月10日/2923回)