梅酢
五十路ともならば衰える代謝。減らぬ体重を嘆くに教わるヒミツの飲料。生レモンの一つを絞り、大さじ二杯の無添加りんご酢、あとは水で適当に。毎朝、飲まば必ずや、とヨガのインストラクター。が、レモンにあらずとも。地元の姉御が手製を差し入れて下さり。瓶内に見えし実はもしや昨年に私が収穫したものだったりもして。そう、梅酢。
今日もまた姿くらますに行方やソコだったはずも。ゴルフの誘いを断りて没頭するは。何せ尋常ならざる本数に収穫を待ってくれぬは自然の摂理。残りの三百数十日はその二週間の為にあるようなもの。足りぬ人手に今年もまた季節労働者と化しており。石の上にも、三年目ともならば慣れたもの。何故にこの枝だけが「たわわ」なのか。なぜ、あの枝の先に一つだけ実がなるのか、目先を追いかけるに頭上に残り実があったりもして。
閑話休題。おさまらぬコメ。そりゃ当然。そこに正解なく。そもそもに価格を制御せんとするに生ぜし「歪み」こそ元凶。それも、消費者、生産者、流通と、どの立場に立つかによって。誰しもにいい顔をせんとするがゆえに生じる矛盾。全てがめでたしなんてことは。たとえどこかに不利益が生じようとも「えいっ」と断を下すのが為政者のはず。
私の学生時代とて金銭の仕送り以外に届くはそちら、日々の自炊にコメだけは切らさぬようと。いや、何もそこまでしてもらわずと近所のスーパーに行かばフツーに入手が、と思えども拒むに拒めぬ親心。ゆえに私とて買ったことがない、いや、「なかった」から。さすがに売るほどはないにせよ、「買ったことがない」はあながち。コメの値を知らずして大臣職が務まるか、ってことなんだろうけど、当人とて選良の身。そこまでのヘン人には見えず。
あの発言とて「品薄」「不足」と騒ぎ立てるに生ずる群集心理は国の進路を誤らせかねず。冷静な対応を促さんとするに聞く耳を立てさせるべくその位の過剰さがあっても、との本人なりの。むしろ、沈黙は金、見ざる言わざる聞かざるに「やらざる」付いた大臣に比べれば、時に放言が取り沙汰される位のほうが人間味があって。大臣ともならば肉眼ならぬ双眼鏡で監視されているようなもの。されど、一言一句に神経を尖らせる時間があるならばもそっと他に。
野党諸氏とて聞かれるにそう答えるは政局を有利に、との打算。されど、敵なればこそ、彼の言わんとしたことを察して誤解を解かんとすれば、むしろ、世の評価は上がりそうなもんなれど、彼らも心に余裕がないからナ。身内とてこのままでは勝てぬ、更迭を急ぐべし、などと同調する前にまずは自らを顧みるべし。大した活動もせずに。
寛容さを失いし国家に希望なく。んな他人様のあらさがしに欠点をあげつらうような風潮が蔓延しては。
雑念を振り払うに最適は梅の収穫。用あらば近所の梅林におりますゆえ。
(令和7年5月26日/2926回)
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