二割
数にして2割の高額所得者が全体の8割を、と聞かば世の理不尽さを恨んでみたくもなりそうなもんなれど、社の売上の8割は上位2割の社員によって、と聞くに、むべなるかな、と。
パレートの法則から派生するは262、つまりは組織なるもの上位2割に下位2割、中間層が6割を占め。下を何とかすることこそ経営者に課せられた使命、と社を追い出すに不思議と生まれる新たな2割。とすると彼らの存在意義や。生存が脅かされるとか不測の事態にはその下位2割が本領を。あくまでもアリの世界の話。
わが職場にあっては上位2割どころか1割、いや、それにも満たぬほんの数名の働きよって全体の体裁が保たれているところ多分であり。彼こそはその一人と信じてやまぬ同期のO君は市議会きっての論客。庁舎内のエレベーターに居合わせるに顔色が冴えず、マスクなしに咳き込む彼にマナーを説くはおこがましく。
かと申さば、相手をいたわるなんぞ性に合わず。医者にあらずともただならぬ咳とは私でも、と告げるに、余命まもなく、と本人。弔辞の役は厭わぬゆえ安心して、と毒舌吐くに。香典はケチるな、と向こう。そもそもにおぬしの悪行の数々に恨み抱かぬ職員少なからず。医者の前にまずは祈祷でも、とさながら三流の漫才。
O君を苦手とする管理職や少なからずも、そりゃ逃げんとするから追いかけてくるのであって。彼ほど一途で義侠心に厚い人物はおらぬ。愚直であるがゆえに時に相手に誤解されることもあって。何とも不器用というか損な性格なのだけれどもそういう人こそ報われるべきであって。下位2割の私としては彼の汚名を払拭すべく職員を説いて回っており。断言しておく、彼ほど仕事しとるヤツはおらぬ。
閑話休題。閉幕となりし緑化フェア。一過性に終わらぬよう得た経験を今後に、と新たな部署も誕生し。緑の重要性は分かった。が、守るにタダとはいかず。昨今はパークPFIなんて手法が流行とか。維持費を賄わう為に緑地や公園内に商業施設を誘致して。
いや、そもそもにその発想が公園なるものの本来の目的をはき違えたもの、との価値観のせめぎあいに取るべき進路は。保全か開発か。農地とて同じ、目立つ耕作放棄地に窮余の一策は土地の規制緩和。農振の網を外さば市の税収増に云々と。
生活道路に凹凸目立つは役所の怠慢。なれど公道ならぬ私道とあらば。いや、それとてもはや道路以外に転用が効かぬ、いわゆる持つだけ損の土地なれど譲るに譲らぬ理由やいかに。当時の宅地開発に生ぜし道路を移管せずに自ら手がけて数十年。もはやこれ以上は限界、無償にて譲渡するゆえ後の管理は。
が、市とて貰い受けて収益生まぬ土地だけにそうやすやすと。シブる市を相手におよそ見た目には瑕疵なき道路なのだから多少のことは、と譲歩求めて、めでたしのはずが。そろわぬ押印。それもたった「一人」だけ。他の地権者が全幅の信頼を寄せるWさんが代理人として交渉に当たるも首を縦に振らぬとか。こればかりはいかんとも、と市。
共同名義の土地の扱い、あくまでも私有地を巡る話にて、それこそが「原則」と知るも、そこに実害のリスクなくば、代位弁済が如き救済があっても。
(令和7年5月31日/2927回)
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