巨象
趣味にうつつを抜かしては肝心な学業が、どうせすぐに、とは親のエゴに過ぎず。音楽にスポーツ、料理と世にこれほどまでに重要なものに子が興味を示すに咎める権利などどこに。断じて許さぬ、との妻をよそ目に、買わば勝ち、と娘を連れ添い、いや、連れ添われ。
「アコギ」とはアコースティックギターの略だそうで。専門店にて店員の話を熱心に聞き入る娘。が、こちらの関心や。安からぬ値段を見るに。何も新品が全てとは限らぬ、私のゴルフクラブとて中古なのだから、との心の叫びなど聞こえるはずもなく、娘が手に取りし一品を。そう、選択は自由に。
時間外勤務に対しては見返りあって然るべき。振替か手当か。選べるならば見えぬ余暇より見える現物、やはり「手当」をというのが。かたや、残業なるものは全て会社都合とは言えまい、同一賃金同一労働、終わらぬは個の能力とて。おぬしらとて金銭欲しさに「故意」と思しき側面とてないとは言わせぬ。いや、何よりも残業がふくらんでは我が管理職としての資質も疑われかねず、なんて向こう側の自己都合だったりも。
さりとて、こちらばかりは明らかに会社の都合。いや、会社というよりも御上の都合にて要する経費は。そう、直近では参院選、国政選挙は全額が国庫負担とされ。ならば、せめて、その時くらいは。
いや、そこに待ったをかけるは「彼ら」。休日出勤後における動向を他市と比較するに「振替」少なく、つまりは「手当」を選ぶ職員が多い、とか。選択の自由が許されるは結構にあるまいか。んな悠長なことを言っていられず。本市の財政悪化の一因はそこにあり、との厳しい追及に。んな市議がいるとは。ちなみに「センセイと同じ会派です」と聞くに、「すまぬ」と詫びて。欠かせぬ仕事への意欲。
ダークスーツに白シャツこそが社則、部門間の争いに終始する中に忘れさられし顧客の顔、とはどこかで。優秀な社員といえども朱に交われば。陥りし組織の腐敗。白シャツにあっては訪問時の相手に合わせ、当初は顧客への敬意を意図したものが、いつしか、そこだけが「われわれのやり方」として。時代錯誤とは誰も気づかず。
わが社の製品に勝るものなどあろうはずが。他社との互換性などいらぬ、全てわが社の製品で。いや、事実、データセンター内を埋め尽くすはそちらの製品。ある日、他社の製品を一台だけ購入した、その日の朝に担当が来て、サポートの全てから撤退する、と。数ある中でも最大級の顧客に対してここまで傲慢な態度をとれる企業があるのか、というのが転職前の著者の感想であり。読むは「新宿鮫」のみにあらず。
かつては不動の首位に君臨し、栄華を誇りし企業の没落。見事に再生を成し遂げた経営者の一冊を。英題は「Who Says Elephant Can’t Dance?」、直訳すれば「象が踊れないなんて誰が言った?」。ルイス・ガースナー著「巨象も踊る」。そう、わが社だって。
(令和7年8月5日/2940回)
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