予習

それだけの時間を走り続ける位ならば座り続けていた方が、と思えそうなものなれど。同じ姿勢を保ち続けるは「より」しんどく。今や配布資料は全てあの画面の中に集約されて首だけが前に伸びるばかりか視力まで。

午前10時より始まりし委員会の終了や午後6時。そのまま帰るに渋滞。ならば、と市役所周辺の夜ラン。本市自慢の名湯「政之湯」に寄りて戻るに隣に見かけし団長の車。私と同じ委員会の所属なれど未だ残業とは。

事前に渡されし次第には8項目に説明時間120分とあり。とすると残りの6時間は「質疑」に。かつて「第一」とされた総務委員会の宿命。他に比べてダントツに長き時間と分量を誇り。論客そろいぶむ中に突出して長き委員が一人。

ほぼ全て、いや、ほぼ「なく」全ての項目において質問を見せるはI君。やり過ぎ感に眉ひそめる向きあれど。選り好みなくそれだけの質問をぶつけるに欠かせぬは予習。時に首肯できぬ内容とて無いとは言わぬ。が、仕事に向き合う姿勢。こういう人物こそがわが市議会の評価に一役を。

当日の項目の一つに「社会福祉法人への監査等に係る検証報告書に関する情報漏えいの調査結果について」あり。題名だけでめまいがしそうな内容なのだけれども、監査結果の報告ならぬ、それの漏洩に関する報告。一昨年に生じた市内の社会福祉法人、いわゆる「社福」を巡る一連の騒動。

そもそもに本市が実施していた監査がちゃんと機能していたのか等々について外部有識者3名を招いての検証がされ。その内容が公表前に記事として。つまりは職員の誰かが門外不出の資料を外部に、ということらしく。

システム上に残りし242回の履歴を抽出して関係者全員への聴取が行われたものの、犯人の特定には至らず、との結論。フツーに考えれば相手にメールで直接送るなんぞ。確たる証拠なくば当人とて容疑など認めるはずが。

そう、流出なんぞは本件に限らず。他社に先んじてとの記者魂。いや、職員とて加担するに負い目、良心の呵責を抱いていたはず。くれぐれも「扱い注意」と渡したはずも。求めたほうとてそのへんの事情を知らぬはずなく、出した方にのみ問われし罪は何とも。

ホシの特定は出来ているはず。されど、既に庁内への見せしめには十分。大ごとにせぬとの組織の力学が働いた、ってのが私の推測にて、それは賢い選択なれど、調査に要した手間やいかほどか。

が、それで終らぬが役所。報告書に見かけるは「不特定多数の職員が当該ファイルへのアクセスが可能だった」との一文。以後、情報管理の厳格化を以て再発防止に、なんて方向性がチラつくも、たびに求められるパスワードは。現に私の隣のA君なんぞ画面を開くたびに表示されるメッセージに小言もらしつつ無駄なボタンを叩いとる訳で。

とともに外部との接触に向けられる厳しい目。そもそもに私なんぞは「彼ら」との距離が近すぎていつも「一部」の管理職から不審の目を向けられるも夜メシの際に仕事の話をするなんぞは野暮の骨頂であり。貝殻にこもりて遠ざかる距離感はむしろ双方に不利益にあるまいか、なんて。

一日待たば何ら。たった一日、一記者の抜け駆けが生みし代償や小さからず。オフレコはあくまでもオフレコ、そこに失う信用は手柄の比にならぬ、と思うけど。

(令和7年8月25日/2944回)