断水
髪の悩み、と申しても。酷暑に長髪は鬱陶しく、夏は短髪に限る。日々のシャンプー使用料も減れば散髪の頻度とて。いやいや、短髪こそ不手入れが余計に目立つのであり。寄る年波には勝てず、齢重ねるほどに無頓着になりがちな身だしなみもそこだけ意識しておかば見た目もぐっと「若く」なりそうなもので。余計な御世話か。
華僑の三刀とは、料理人、理容師、仕立屋。いつの世も消えぬ需要。床屋はオッサン、美容室は若者、との偏見あれども、髪切りの技術や「理」「美」の差以上に当人の技量に負うところ大にして今さら流行の髪型云々など。顔剃りが許されるは理容、つまりは床屋側であり。
低廉な散髪屋、いわゆる「安床」が台頭を見せる中にも開店前に行列、いや、待ち人の出来る理容店が私の行きつけであり。理髪師の身は一つにて月のみならず火水も休み。数少なき営業日とて開店は午前のみに限られ。こちらは出向くこと可能なれどそれが叶わぬ方々も。当人は訪問理容も手がけておられたはず。そちらの近況を伺うに。
当時は加盟していた組合からの依頼でね。店の休日を利用してやっていたんだ。あれも、元々は資格を有しながらも店舗を持てぬ理髪師の専売、というか小遣い稼ぎの側面あって。店舗を持つには安からぬ出費を伴うから、中には持ちたくても持てぬ人もいたりして。
別に客を取られる訳じゃないから、との容認派もいたのだけど、せちがらく、禁止すべきだって。往復の手間等々を鑑みれば、んなオイシイ話じゃないはずなのに、と胸中をのぞかせ。
閑話休題。事務所の郵便受けに投函されるは断水の知らせ。ついては数日間の道路規制とともに。そう、何も残業は団長のみにあらず、市役所周辺の夜ランはあくまでも時間調整が狙い、こちとて地元に戻らば。小腹すくに隣のコンビニで甘味でも、と物色するに背後から。店前の道路工事にあっては営業妨害、補償はないのか、と店長。
いや、言わんとすることは分かる。が、それこそが公共事業なるもので配管が更新されれば店とてその恩恵を。何もそこまで言わずとも。下手な冗談かと思いきやどうも様子が。はて。ちゃんと市の担当が説明に来たはず、そちらには何と。
どうやら不在の隙にアルバイト相手に紙一枚を残して、というのが。今どき菓子折、誠意を見せよ、なんて柄になく。とすると。公共事業ゆえに従って当然、文句あらば訴訟とて勝手に、との認識は役人の思い上がり、看過できぬ、というのが本心にあるまいか。
いや、アルバイト相手とは申せ、この御時世ゆえ、んな粗相はないと信じるも、知らぬ間にどこか軽薄なところがあったやもしれぬし。地雷を踏んだ、というか単に当人の虫の居所が悪かっただけやもしれぬ。が、一応、耳にだけ、と報告を入れるに。所長自ら店舗を訪ねた、らしく。よもや、そこまで。
脳は期待を裏切られるのが大好き、つまりは予想外の行動はより深く記憶に、と最近読みし一冊に。
(令和7年8月30日/2945回)
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